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No227 障害を考える

 「障害者」という言葉を「障碍者」や「障がい者」と書くべきだという意見があります。

 

   障害者施策などに関する公文書について、兵庫県宝塚市は4月から「障害」の文字を使わず「障碍(がい)」と表記する方針を決めました。災害や害悪など「害」に否定的なイメージがあり、障害者の中に不快に思う人がいるというのが理由です。公的に「碍」を使う自治体は全国初だそうです。

 

   元々、「障害」という言葉は「障碍(障礙)」という漢字だったのが、戦後の国語改革で「碍(礙)」という字が当用漢字に含まれなかったため、代わりに「害」という字を当てることになりました。「当て字」だったわけです。「碍」は妨げるという意味です。

 

   「碍」という字を使わずに「障がい者」という書き方を採用する自治体も出てきましたが、反対意見もあります。漢字とひらがなを使う「交ぜ書き」は文章の意味を把握しにくくするということで文科省などはそういった使い方を嫌っているそうです。「『障がい者』と書かれる方がむしろ嫌だ」という意見も意外と多いそうです。

 

   共同通信社が発行している『記者ハンドブック』では、「障害」に関してはそのまま「害」の字を使うことをすすめており、「障害の(が)ある」と書くというガイドラインが記されているそうです。

 

   「障」という字にも、「さしつかえる」「はばむ」「じゃま」といったような意味があります。

 

 皆さんは、どう思いますか。「発達障害」も「発達特性」と言う言い方をしたら、もう少し親も本人も前向きになれると思うのですが。