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賛燦山84 中学英語の実態

 一昨日3月19日(火)の朝日新聞の教育欄にあった「中学英語『難しい』広がる学力差」の見出しが目に留まりました。 

 「2021年度に始まった中学校の新学習指導要領で、英語が格段に難しくなり、生徒に英語嫌いが増え、学力格差も広がっている」という話を聞いたことがありますか?

★中学英語の実態

・「can」は、以前は中1の終わりに習っていたが、入学間もない時期に扱う。

・高校で習っていた仮定法や現在完了進行形は中学で教える。文法の学習は前倒し。

・新学習指導要領で、中学で扱う単語は従来の1200語程度から1600~1800語に急増。

・生徒によっては小学校で扱う600~700語を実質的に中学校で覚える。

 

★現場の指導者の声

・「生徒のできる、できないの差が際立つようになった」(都内公立中英語教諭)

・「一部の子は英会話教室や塾で学ぶことでカバーしている。それができない家庭もある。クラスの全員を巻き込んだ授業が難しくなっている」(都内公立中英語講師)

 

◎中学英語教員アンケート(和歌山県中学英語教員107人、和歌山県国民教育研究所22年6~9月、)

・新学習指導要領対応教科書「内容が難しくなった」(70%)

「盛りだくさんで精選が必要」(64%) 、「授業がしにくくなった」(35%)

「授業がしやすくなった」(7%)。「内容が易しくなった」(0%)

・教科書に出てくる単語数 「多すぎる」(69%)、「適切」(17%)

 

◎全国学習塾講師アンケート(栄光ゼミナールと「エデュケーショナルネットワーク」、440人対象、22年10月)

・中1の1学期の定期テストが難しくなった(75.2%)

 

★文科省の声

・「指導要領改訂後も中高生の英語力は改善している」(担当者)

・英検3級相当の力 49.2%(22年度)前年度から2.2ポイント増。

・この調査は、専門家から「信憑性が疑わしい」との指摘。

 

★生徒の声

◎中3生へのアンケート(全国学力テストと同時実施、23年度)

・「英語の勉強は好きですか?」 「あてはまる」・「どちらかといえばあてはまる」52.3%

 19年度と比べて4ポイント減。

・「英語の授業内容はよくわかりますか?」 「わかる」(64.4%) 2ポイント減。

 

★江利川春雄名誉教授(和歌山大・英語教育学)の話

・塾に通える子が有利になり、英語嫌いな子が増えた。

・大きな失敗だと言わざるを得ない。

・英語嫌いをつくらない、余裕のあるカリキュラムに戻すべきだ。

 

 「賛燦山39  日本の英語力」(2月5日)でも紹介しましたが、2023年「英語能力指数」ランキングで日本は、113国・地域の中で87位でした。

 前年より7つ順位を下げ、レベルは、8年連続「低い」段階でした。

 うーむ。今日の記事を読んで、日本の英語力の向上は当分先だなと感じました。おもいきった改革をしてほしいです。