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賛燦山71 早期教育を考える5

 今週は、朝日新聞に連載されている「早期教育へのギモン」の専門家のインタビュー記事に注目していますが、今日は、第5回(3月6日)の発達心理学が専門の内田伸子名誉教授(お茶の水女子大)の話です。

★早期教育

・小さいころにどんな教育を受けたかで、子どもの将来が決まるとは思わない。

・子どもが自分でやりたいことを見つけられるように、色々な体験をさせることはよい。

・ピアノのように鍛錬が必要なものは、小さいころから始めることでピアニストの道につながるかもしれない。

・習い事は親のためではない。

・子どもの力が伸びるには素質や環境に加え、本人の気持ちが大事。

・楽しそうな表情をしているかなどよく観察する。

本人が「また行きたい」と言うのであれば続けさせたらいい。

「行きたくない」「おなかが痛い」と嫌がるのであれば、親は習い事をやめさせる勇気を持ってほしい。

・楽しいからこそ意欲や探求心はわいてくる。

 

★英語教育

・「英語耳」を育てようと赤ちゃんの頃から英語教育に取り組む効果は疑問。

・第二言語の学習は母語が土台。母語を土台に「考える力」をしっかり耕す。

・外国語は聞き取り能力も高い小学5年ごろから学ぶのがよい。

・コミュニケーションで大事なのは話す内容。発音や聞き取りはいくらでも学べる。

・早く英語に取りかかればいいというのは誤解。

 

★カナダに移住した子どもの追跡調査

・カナダ・トロント大の言語心理学者が日本からカナダに移住した子を10年間追跡調査。

・子どもはどの年齢でカナダに移住しても英語での日常会話は、約1年半ほどで同学年の子ども並みに上達。

・一方、読解力は移住した年齢で差。

・最も適応度が高かったのは、小学校3年間を日本で学んで日本語の読み書き能力などを習得して移り住んだ子たち。

・英語読解力偏差値は、平均1年半の最も短い期間で同学年の子ども並みに追い付いた。

・幼少期に移住した子らは、現地並みになるには平均12年半もかかった。

・家庭では保護者と日本語で会話する環境の中では、自然と身につける英語の語彙が足りない。

・学業成績が一番高かったのは。中学から行った子どもたち。

 

★子どもの可能性を広げるために親ができること

・一緒に絵本を読む。ボール投げをする。楽しい経験を共有する。

・化学や物理学などたくさんの知識が学べる「料理」もおすすめ。

・社会性や自制心、挑戦力といった「非認知能力」は、乳幼児期の自発的な遊びを通して獲得する能力。

・子どもの主体性を大事にして、焦らず、せかさず、「ほめる・はげます・(視野を)広げる」言葉がけが大切。

・自分で考えたり、工夫したり、判断したりする力を育てるため、親が子どもの質問にすぐに回答や解説を与えないことも重要。

 答えを与えなければ、子どもは自分なりの案を出してくる。

・親が「よく考えたね」と共感的に受け止めてあげると、自分で考える力や根拠を示して説明する力が育つ。

・自律的な思考力を養っておけば子どもはたくましく生き抜いていける。

 

 カナダに移住した子どもの追跡調査の結果面白かったでしょ?