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賛燦山69 早期教育を考える3

 一昨日から朝日新聞に連載されている「早期教育へのギモン」の専門家のインタビュー記事に注目していますが、今日は、第3回(2月22日)の言語の認知科学が専門の大津由紀雄名誉教授(慶応大)の話です。

★英語教育の過熱ぶり

・母語がまだ確立されておらず、自分で母語をコントロールできない子どもに、大人が英語だけの環境を人為的に与えるのはどう考えてもおかしな話。異常な状態。

・「子どものために」というが、親の傲慢ではないか。

・人為的に英語環境に置くことが子どもにとっていいことなのか、親は冷静に考えるべき。

・子どもの心の発達にとって重要な時期を、英語でかき乱されてしまうのは、子どもも親

もかわいそう。

 

★幼少期の外国語

・世界のいろいろな言語に触れるのはいいこと。

・世の中には様々な言語があり、言語を通して多様な文化があることを知ることができる。

・言語は世界の多様性を実感できる素晴らしい素材。

・どの言語でもいいので、ネット上の情報を使いながら色々な言語に触れる機会をつくる。

 

★言語に触れる際の注意点

・「将来はこの言語が使えるようになるはずだ」と、親が妙な色気を出さないことが大切。

・いつまでたっても話せるようにならない、決まった表現でしか話さないとイライラすることは、子どもにとって全くいいことではない。

・大人の学習者に比べ、一般的に幼い子どもは正確な発音を早く身につけられる。

・子どもが英語の決まり文句を言うと、「日本人離れした発音」などと喜ぶ親がいるが、単にまねしているだけで、コミュニケーションしているわけではないことにも注意。

 

★異文化に触れる機会

・国内にたくさんある。地域によって言葉(方言)や文化、習慣が違う。

・国内で自分と異なる性質を持った人やものに触れる機会を大切にする。

 

★外国語を本格的に学び始める時期

・母語をコントロールできるようになってからでも決して遅くはない。

・小学校では、日本語で書かれた本を通じ、言語の仕組みや働きを理解することが重要。

・言語学習の基礎ができたら、今度は外国語の文法の仕組みや働きを学ぶ。

・外国語を本格的に学び始めるのは、中学校からでも遅くない。

 

・英語を母語と同じ状態を達成するには、一定の年齢(臨界期)のうちに英語圏に身を置く必要がある。

・英語が仕事で必要な場合、英語が母語に人と同じような発音を目指す必要はないだろう。

・発音にくせがある英語を話す人で国際的に活躍している人はたくさんいる。

・あまり考えすぎないで、色気を出さず、深追いしないことが大切。

・言葉は何歳になっても学べる。

 

 旅先でたくさんの外国人と出会います。これからは英語ができて当たり前の時代になるでしょう。しかし、肝心の心の発達に重要な幼少期に豊かな経験していない子が増えれば、学校現場はますます大変になるのが心配です。