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賛燦山62 言葉のおもしろさ44  

2月も明日で終わりますが、いかがだったでしょう?雪も降ったり、久々の冬を感じたのではないでしょうか?

 昨日の「教員のメンタルヘルス対策」で「先生の保健室」の機能を高めることに触れましたが、読売新聞で連載されている不登校経験者を主に受け入れる「チャレンジスクール」の都立小台橋高校の保健室の役割も素晴らしいと思いました。

 今日は、朝日新聞終末別冊版「be」に連載している飯間浩明さんの「私のB級言葉図鑑」からです。今回は、2月3日から24日の4回分です。

① 「自転車置場」 今では別の言い方に・・・(2月3日)

奈良県明日香村の寺の前の古い立て札に<自転車置場>と書いてあったそうです。

・自転車置き場は当たり前だが、今は「駐輪場」と書いてあり、一般化した。

・「駐輪場」は1980年代に広まったことば。

・雑誌「言語生活」(81年11月号)には「駐輪場」について<自転車置き場という、れっきとしたなつかしいのがあるのにと、なさけなくなります>と違和感を持つ人の意見が載っている。

・「三省堂国語辞典」では第3版から「駐輪」の項目を立て、「駐輪場」を例示。

・辞書では当初<(有料の)自転車置き場>とも説明していたが、有料に限らず、オートバイなどの二輪車も駐められる場合も多い。

 

② 「立派」 優れていなくても使う(2月10日)

バスの中の歯科医院の広告に<歯周病も立派な生活習慣病>と書いてあったそうです。

・「三省堂国語辞典」では「立派」をまず<尊敬の気持ちを起こさせるほど、すぐれている様子>と説明。歯周病は優れた病気?

・「万引きは立派な犯罪です」万引きは立派な犯罪?

・「立派」にもいろいろな意味がある。<うたがう余地のないようす> 例示「立派な犯罪」。

・この意味の「立派」は明治時代からもある。

・尾崎紅葉の「金色夜叉」にも<立派な罪だ>と言う表現がある。

・同様な意味の広がりは「完全」にも見られる。

・元は「完全な円」のように、欠点や不足のない様子を言った。

・大正時代には「完全に失敗する」のような否定的な言い方も増えている。今では変だと思う人はいないだろう。

 

③ 「歌楽生慶」 漢文風に読める当て字(2月17日)

 飲食店の看板に<歌楽生慶処>と書いてあったそうです。

・「カラオケどころ」と読むらしい。

・面白いことに、この当て字は「歌の楽しみは慶びを生む」と漢文風に読み下せる。

・以前「倶楽部」は「倶(とも)に楽しむ部」と読めて、意味を踏まえた当て字になっていることを紹介。

・「がらくた」を「我楽多」と書くことがあるが、「我が楽しみ多し」と読めるが、意味とはべつに関係がない。

・「ディクショナリー」は「字句書也」と書けるが、意味を踏まえているが、驚きがない。

・歌の楽しみを称賛する「歌楽生慶」はレベルが高い。

 

④ 「ズキニー」 「特殊拍」はわりと自由(2月24日) 

 野菜無人販売所の値札に<ズキニー>と書いてあったそうです。

・ズッキーニのこと。この野菜の名は英語で「ズキーニ」、聞きようによっては「ズキニー」。

・この野菜が日本で広まった1980年代の文献には「ズキニー」も出てくる。

・ラディッシュ(ハツカダイコン)は「ラレシ」と書くことも一般的。

・以前ブロッコリーを「ブロコリ」と書いた例を紹介。

・「ン」「ッ」「―」の音を「特殊拍」と言う。単語の初めに来ない。「添え物」的な扱い。

・「ピーナッツ」か「ピーナツ」か。「コンピューター」か「コンピュータ」か。

・結局は好みの問題。「ズキニー」は少数派だが、間違いと片付けられない。

 「護美箱」も「美を護(まも)る箱」ですよね。

 当て字と言えば、欠伸(あくび)、運命(さだめ)、永久(とわ)、鳳梨(パイナップル)、幾何(いくばく)、何卒(なにとぞ)、何故(なぜ)、何処(いずこ)、疾風(はやて)、在処(ありか)、生業(なりわい)、身動ぎ(みじろぎ)、微温い(ぬるい)、相応しい(ふさわしい)、目紛しい(めまぐるしい)・・・1問子どもに出してみませんか?