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賛燦山59 心にしみることば

 「鷲田さんの10選」はいかがでしたか?私はこんなことばが心にしみました。

・迷惑かけずに生きられる人なんていない。

・ケアの本質には、他の人に、自分にとってもっとも大事な時間をあげるということがある。

・ときに自分に厭きる、自分をチャラにする時間も必要だ。「ポワン」としていたい。

・自分の弱さを知る人は、自分が誰かに支えられていることもよく知っているから他人の弱さにもすぐ気づき、すっと手を差し伸べられる。

・務めることがかけがえのある役を演じることであるかぎり、人はその役を「外」に立っている。

・失ってはじめていかに希有のものだったかを知ることがある。得て初めて知ることもある。

 

 3000回になる前日(2月15日)に詩人の佐々木幹郎さんの寄稿を読みました。

・ことばを発する者と受け取る者の間に「単方向の痩せ細ったのではない、膨らみのある双方向の関係」を持っていることが大事。

・生身の身体に落ちてくることばは、いつも目の前にあって、理屈を超えたところに揺らめいている。

・ことばは自分一人のものではない。そのことに勇気づけられて生き延び方を探ろうとするのが人間。

・「膨らみのある双方向の関係」は、ことばの肌理(きめ)によって表現される。

・ことばの余韻の響きに、ゆっくり聴きいる。

 

 「折々のことば」の第1回は、2015年4月1日、大岡信さんのことばからでした。

★涯(はて)は涯ない 

・6762回にわたり本誌で書き継がれた「折々のうた」。

・それをまとめた本の最後の頁(ページ)にそってこう記されていた。

・ことばはひとの体験をまとめなおしてくれるもの、別の角度から見るよう促してくれるもの。

・この新しい連載が、凝り固まった心をほぐし、ときにはふわりと別の場所へ移動させてくれる、そんなきかっけになればと願う。

・人生も旅のようなもの。涯はありません。

 

 昨日の山根さんとの対話の記事にでてきた旧知の銀行員のことばは、9回(2015年4月9日)にありました。

★口下手な行員のほうが成績がいいんです 

・ある銀行員がしみじみと、こう語っていた。

・能書きを淀みなく連ねるよりも、ほんとにこんな調子のいいことばかり言っていいんだろうかと、ついことばに詰まり、言い淀んでしまう営業員。

・そういう口ごもりが逆に、聴く人の心をがちっと掴むのだろう。

・能弁より口下手がいい。

・ひとは話を聴くとき、話される事柄だけでなく、話し方、そう、口ごもりをこそ聴いている。

 

 今日の佐々木さんの投稿に出てきた関西の言い伝えは、5回(2015年4月5日)にありました。

★アホになれんやつがほんまのアホや 

・関西では優等生は嫌われる。

・もう少し正確にいえば、優等生然としたふるまいは小ばかにされる。

・成績がいいことはそれほど評価されずに、自分をあえて笑われ役にすることで、他の一人一人の言い分を聴き、でも最後に「しゃあないな」と一つにまとめ上げることができる人がほんとうに賢いとされる。

・おもしろいやつ、頼りになるやつのほうが、うんと評価が高いのである。

 

 これからも「心にしみることば」と出会ったら紹介していきますね。一方通行にならずに膨らむことができたらうれしいです。