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賛燦山58 鷲田清一さんが選んだ言葉2

 昨日挑戦した「東京メトロ 地下謎への招待状」は、雨と寒さと難問のため、思考が停止してしまいました。ヒントなしでは解けない問題ばかり。発問の指示が理解できないのはストレスでした。子どもに出す発問や指示は明解・的確でありたいと改めて思いました。

 昨日から、鷲田清一さんの「折々のことば」の「過去のことば 鷲田さん10選」に注目していますが、今日は残りの5つです。

★鷲田さんが選んだ「過去の言葉10選」

⑥福島ごと、引っ越したい。 (福島の小学生)901回(2017年10月13日)

・福島原発事故の後、京都に避難した子どもたちと福島の同級生たちを再会させるプロジェクトを追った特集が2012年夏、毎日放送の報道番組「VOICE」で放送された。

・福島の小学生の一人がその中で、屈託もなくこう言った。

・でも屈託がないわけはない。そんなの無理だと判っている。

・が、事故の理不尽さへの言いようのない恨みは、こう表現するほかなかった。

 

⑦人間の弱さは、それを知っている人たちよりは、それを知らない人たちにおいて、ずっとよく現(あら)われている (パスカル)586回(2016年11月23日)

・おのれの弱さに向き合うのは難しい。

・つい虚勢を張ったり、ものごとを傲慢に言い切ったりする。

・自分をそのままで保てないのだ。

・自分の弱さを知る人は、自分が誰かに支えられていることもよく知る。

・だから他人の弱さにもすぐ気づき、すっと手を差し伸べられる。

 17世紀フランスの思想家の「パンセ」から。

 

 ⑧われわれは一つの誤りを正そうとして他の何ものかを誤らせないように注意しなくてはならない。 (T・S・エリオット)78回(2015年6月19日)

・憲法の約束も、地域で継承されてきたしきたりも、叡智のタぺストリーのようなもの。

・糸を1本抜けば、いつか全体が解(ほど)けてしまう。

・その前に、無念のまま逝った人びとを胸に工夫を重ねた先人に、深く思いをはせること。

・先人がこれだけは守らんと誓ったことを反芻(はんすう)すること。

 「文化の定義のための覚書」から。詩人。

 

⑨職業を役として演じることによって、われわれは、自分がその職業的地位そのものであることを拒んでゐる (山崎正和)876回(2017年9月17日)

・職業であれ家庭であれ、人はそこである役を務めている。社員の、あるいは親の役を。

・人はそこに生の支点を置き、律儀にそれになりきるのだが、務めることがかけがえのある役を演じることであるかぎり、人はその役を「外」に立っている。

・生きることのそういう形を、劇作家・評論家は「謙虚な実像」と呼ぶ。

 「演技する精神」から

 

⑩失うという事を 知らない人がいる 得るということを 知らない人がいる

何だか最近は そんな可哀そうな人ばかり (ブッシュ孝子)1828回(2020年5月27日) 

・持つ人と持たない人に裂かれた社会。

・けれども、失ってはじめてそれがいかに希有(けう)のものだったかを知ることがある。

・たとえば幸福、あるいは平穏な日常? 得て初めて知ることもある。

・恵まれてあることの意味、これまでそんなものがあると思いもしなかった世界?

 「ブッシュ孝子全詩集 暗やみの中で一人枕をぬらす夜は」から。

 

 ことばって、普段は意識しないことでも、ふと響くことってありますよね。響いたことはぜひ行動に移してみたいと思いました。