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賛燦山50 ブラッハーさんの教育論2

 賛燦山も0.5合目まで来ました。頂上は全く見えません。

今日も朝日新聞に連載された「元ベルリンフィル首席・ブラッハーさんの教育論」の2回目<下>(2月14日)に注目してみます。

 今回は、日本とドイツで後進の指導に当たるバイオリニストの水島愛子さんも登場しています。

◎水島愛子さん

・1845年、神奈川県藤沢市生まれ。ウイーン国立音大卒。

・76年にバイエルン放送交響楽団に入団。楽団史上5人目の女性団員、第1バイオリン奏者として活動。

・日本と欧州で40年以上、後進の指導に当たる。

 

★練習量を求める考え方

◎ブラッハーさん

・日本の状況はドイツに似ている。

・練習量について親がプレッシャーを与えすぎている。

・作曲家の父はいつも「練習はやりすぎないように。でもしっかりやるんだよ」と話した。

・練習しすぎて成功しなかった人がたくさんいる。

 

◎水島さん

・幼少期に世界的な音楽教育法スズキ・メソードの創始者鈴木鎮一さんに師事。

鈴木さんは常々「うまくなる練習をしなさい」と話し、練習の質にこだわった。

・できないから練習するのに、日本の子どもたちは間違えてはいけないという恐怖を感じている。

・日本では自分の子が何時間練習したと自慢する親がすごく多い。

・集中力が切れていると感じたら、親は子に練習をやめさせるべき。

 

★ブラッハーさんの苦悩

・演奏家として順風満帆に見えても、苦悩もあった。

・父が有名だったことから、子どもの頃、何を弾いても、あの人の息子だからと言われた。

・父の曲は、演奏を拒んだ時期もある。

・17歳の時に音楽を辞めて、イスラエルのキブツ(農業共同体)で働こうと思った。

・両親の友人が「もし君が誰かを助けたいとき、何ができる?」「バイオリンが弾けるなら、演奏してくれないかとなる。」「何かをするにはプロフェッショナルでなければならない」と言った。

・あのとき1度立ち止まったのはとても大切なことだった。

 

★いい音楽を奏でるには?

◎ブラッハーさん

・演奏家は、身体を使うアスリート。同時に知識人。演奏をするときは役者。

・さまざまな文化、芸術に触れ、スポーツで体を動かすことが大切。

 

◎水島さん

・音楽家が普通の生活をすることの大切さを改めて感じた。

・運動もするし、料理や映画、演劇に興味を持ち、美術館に行く。

・人間的な幅がなければ音楽も狭くなる。

・欧州の優れたバイオリニストは、楽譜からの音のバランスや大事な旋律を読む力に富み、自分にしかない音色を持っている。

・コンクールに優勝しても研鑽を続ける人もいる。

・コンクールの上位入賞者をもてはやし、人間的に未成熟なまま売り出す日本の風潮はすごく危険。

・日本の音大は、ソロになる教育は充実していても、アンサンブル(合奏)をしっかり学べるところが少ない。

・鈴木先生は合奏を大切にしていた。競うのではなく、聞き合いながら弾く。

・落ちこぼれをつくらない。ソリストでなく、まず人間としてすばらしい人に育てる教育法だった。 

 

 視野を広げる。人間的な幅が広がれば、心をつかめる子どもが増えると信じます。