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No弐-984 PISA読解力2022

 先週5日にOECD(経済協力開発機構)が2022年のPISA(学習到達度調査)の結果を発表し、各紙が翌日取り上げていました。

 今日は、読売新聞を中心に「読解力」に注目してみます。

 

★国際学習到達度調査(Programme for International Student Assessment)

・15歳を対象に義務教育段階で身に付けた知識や技能の活用力を測る調査。

・2000年から3年に1回実施。

・今回の調査はコロナの影響で1年延期。今回で8回目。

・読解力、数学的応用力、科学的応用力の3分野から出題。1分野を重点的に調査。(今回は数学)

・81か国・地域の約69万人が参加。(前回1位の「北京・上海・江蘇省・浙江省」、ロシアは不参加)

・日本の調査は、昨年6~8月に実施。全国から抽出された183校の国公私立高校1年生約6000人が参加。

 

★読解力調査結果(2022)

①シンガポール②アイルランド③日本④韓国⑤台湾⑥エストニア⑦マカオ⑧カナダ⑨米国⑩ニュージーランド⑫香港⑬英国⑭フィンランド⑮デンマーク

 

・日本は前回15位→3位(OECD加盟国中、前回11位→2位)

・平均得点 12点を上回る516点。(OECD 平均476点)40点上回る。2015年調査と同水準に回復。

・日本の正答率65%。

・「情報を探し出す」(68%)、「理解する」(67%)

・「評価し、熟考する」(55%)の正答率が低かった。

・高得点層の割合は12.4%(前回より2.1ポイント増)

・低得点層の割合は13.8%(前回より3.1ポイント減)。

 OECE平均(26.3%)より12.5ポイント低い。シンガポール、アイルランド、マカオに続き4番目に少なかった。

・全ての参加国・地域で女子が男子よりも得点が高かった。

 

 

★読解力改善の背景

・「PISA ショック」2000年(初回)8位→2003年14位

・これを受け、文科省は「ゆとり教育」からの転換を図り、授業時間や教える内容を増やす。

・2012年4位に回復したが、2015年8位、2018年15位と下げ続け、危機感が広がった。

 

・文科省の読解力改善の理由の一つが「学習指導要領での思考力の育成を重視」。

・20年度以降、小中高校の学習指導要領で思考力や表現力を高めることを示し、学校現場では「PISA型読解力」の育成に取り組む動きが広がった。 

・端末に使い慣れたことも順位を押し上げた要因の一つ。

 

・OECDが日本の高順位の要因に挙げるのは、コロナ禍の休校期間の短さ。

 「3か月以上休校した」(15.5%) (OECD平均50.3%)

 

★課題

・「電子レンジの安全性を宣伝する企業のサイトとオンラインの雑誌記事を比べて、必要な情報を探し出す問題」は、前回も正答率が低かったが、今回も正答率は56.8%。

・「情報の信ぴょう性を評価して根拠を示しながら自分の考えを説明する問題」は、正答率が14.3%と低い。(前回8.9%)

・今回の読解力は2012年の538点には達していない。(今回516点)

・「休校の影響」、「授業改善の効果」など、きちんと検証する必要がある。

 

 「もはや順位変動に一喜一憂する必要はない。学校が抱える課題を克服し、多くの子どもや教員にとって居心地のよい場に変えることができるよう知恵を絞るべきだ」(神奈川新聞・解説)と書かれてありました。おっしゃる通りですよね!