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No弐-970  言葉のおもしろさ41

 今日は、朝日新聞別冊「be」に連載されている飯間浩明さんの「街のB級言葉図鑑」からです。  

 今回は11月4日、11日、18日、25日の4回分からです。

 

① 「旨辛」 気づかぬうち一般的に(11月4日)

 中華料理チェーン店に<温玉旨辛ラーメン>というポスターが出ていたそうです。

・「温玉」は温泉玉子の略。「旨辛」は「うまくてからい」ということ。

・「うまい」と「からい」が合体しただけのシンプルな言葉。

・「旨辛」という表現は1990年代にカップ麺などで使われている。

・一般化したのは21世紀になってから。

・「旨辛」はまだ国語辞典にはない。

 

② 「ぐるムキ」 ちらしずしに使うやつ(11月11日)

 築地の場外市場に<生食用 ぐるムキ 甘エビ>という表示があったそうです。

・エビの頭としっぽを取り去って、皮をむいたもの。ちらしずしやサラダに使う。

・ぐるっとむくから「ぐるムキ」。

・「ぐるむき」は1950年代の料理関係の文章に出てくる。

・「総合調理用語辞典」にも項目がある。

・朝日新聞の料理の記事(2003年)に<エビは殻をぐるむきにし>とある。

・「する落ち」「がた落ち」「ドカ食い」「べた塗り」を紹介した。

 

③ 「●(ツノがない鬼)子母神」 ツノのない神様だから(11月18日)

 雑司が谷の鬼子母神堂では、鬼の上側の「ノ」がない表記なっているそうです。

・入谷の鬼子母神(真源寺)も同じ。

・鬼子母神は女神で、安産・子育ての神様。

・他人の子を盗んで食らっていたが、釈迦に実の子を隠されて子を入れ替えた、という話がある。

・この神様は鬼の顔をしてはいないから、ツノを取って書くという話を聞くことがある。

・昔の漢字はけっこう自由で「鬼」の字をツノを取って書くことはごく普通。

・「魂」など「鬼」を含む漢字も同様。

 

④ 「地獄」 マイナスイメージが力に(11月25日) 

 海鮮料理の店の看板に<海鮮地獄盛り>という看板があったそうです。

・看板の下に<辛くありません>と書いてあり、<大盛よりスゲー><満腹地獄>とあるので、量が地獄のように多いという意味だと分かる。

・程度を強調する表現の種類はさまざま。「鬼のようにかわいい」など。

・学生時代の近所の店の「地獄うどん」。器にあつあつのうどんを入れ、汁は控えめ。ホウレンソウやカツオ節。卵の黄身を絡めて食べる。(地獄のようにうまいからと解釈)

・地獄は恐ろしいところなのに、食べ物の形容に使うのは不思議。

・マイナスイメージのことばには力がある。「おそろしくうまい」とも表現する。

 

 明日は「うまから」「ぐるむき」「ツノのない鬼」「地獄◯◯」なんて話題はいかがでしょう?