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No弐-964  エンジョイ・ラーニング

 この夏の甲子園で慶応義塾高校が優勝し、脚光を浴びた言葉に「エンジョイ・ベースボール」という言葉がありました。この言葉の始まりは、40年前の慶大の前田祐吉監督という方なんだそうです。11月2日(木)の朝日新聞の記事からです。

 

・1983年、野球部卒業生の会報に「エンジョイ・ベースボール」の一文がある。

・記したのは当時の慶大野球部監督の前田祐吉さん(1930~2016)。

・「科学的・合理的な野球を目指し、エンジョイ・ベースボールを至上のもの」と考えるのが塾伝統の野球観だと説く。

・その後、部員たちが自主的に部のキャッチフレーズとして掲げた。

・前田さんは日本に根強い精神野球を嫌い、米国の「ベースボール」に学ぼうとした。

 

★前田監督のエピソード(上田誠高校前監督)

・91年に監督に就くと、慶大野球部に通って前田監督に学ぶ。

・「これまで自分が経験したり、みたりしてきた野球と180度違った。衝撃的だった。」

・当時、強いゴロを打つのが打撃の基本だったが、前田さんは「遠くに飛ばせ」、「ウエートトレーニングで腕力をつけろ」と選手たちに声をかけた。

・全体練習は短く、その後に選手たちは自主的に練習に取り組む。

・練習中に笑っても問題なし。

・キャッチボールで声を出すと、逆に「うるさい」と言われた。

・「高校野球はおかしい。坊主にして野球がうまくなるのなら、比叡山の坊主は野球がうまいのか」

・高校の公式戦を見に来た。あと1点でコールドの場面でスクイズをさせると「ばかっ。お前のは野球じゃない。あの場面のスクイズはおかしい」と怒鳴られた。

・ルールにはないが、相手をリスペクトして最後まで一緒に野球をやろうといいうのが野球だ、と説かれた。

 

 

★前田監督のメモ

・ボーズ頭は決して高校生らしくない。

・グラウンドへのお辞儀は虚礼である。

・何故 大声を出し続けるのか。

・Enjoy Baseball ①各人がベストをつくす ②Team mateへの気配り ③独自のものを創造する ④明るく堂々と勝つ

 

 その後、2005年春の選抜大会で慶応高は43年ぶりに甲子園に出場し、上田さんがインタビューで「エンジョイ・ベースボール」を使ったことを機に世間に広く知られるようになる。

 森林監督もこれを引き継ぎ、今夏107年ぶりに全国制覇を果たしたわけです。

 「エンジョイ・ベースボール」について森林監督は10月5日の朝日新聞で語っています。

★森林監督の言葉

・「エンジョイ・ベースボール」は「楽しむ野球」ではなく「野球を楽しむ」。

・注釈をつけると「よりレベルの高い野球を楽しもう」

・「エンジョイ・ベースボール」は大げさに言えば、日本を変えると思ってやってきた。

・2015年チームを受け継いだ時に「考える」と言う部分を少し強調した。

・せっかく自分が好きで続けてきた野球。どう投げて、どう打ちたいのかを言語化して説明できるようになってほしい。

・選手には自己分析レポートを書いてもらう。

・日々の練習の中で会話をし、考えざるを言えない環境を作る。

・手間と時間がかかる部分だが、選手と一緒に追求したい。

・目の前の一人ひとりに無限の可能性がある。

・選手はどんどん成長していく。最後まで成長の可能性を信じて、選手が成長する環境作りを一番に考えている。

・監督やコーチの指示通りにやる、そこに命を懸けるみたいな3年間を過ごしたところで、そのあと大学生や社会に放り出されたときにまずいんじゃないのって。

・自分で考えるという経験や思考力は、今後の人生において、どこに行ったとしても役立つはず。それが私の信念です。

 

 この3日間、ブログにまとめていて、指導者として共感でき、熱くなりました。

 ぜひ学校の中にも「エンジョイ・ラーニング」が広まってほしいな。