9月30日(土)の日本経済新聞「文化」欄にあった福田美蘭さんの個展の記事をきっかけに、一昨日、名古屋市美術館に行ってきました。
名作や本人と対比すると、こんなに新たな発見や感動があるんだなと驚きました。
こんな発想や視点の転換は、きっと授業でも使えるなとひらめきました。
★イメージを広げる
① 「ポーズの途中に休憩するモデル」
・モナ・リザのモデルは、フランシスコ・デル・ジョコンドの妻リーサと言われている。
・実在した人物の肖像画であれば、そのモデルにポーズをとらせ、実際に見て描いたことが考えられる。
・その場合、画家は必ずモデルに休憩をとらせるので、ポーズをとっているときのモナ・リザを見る目とは違う自然な視点でレオナルドは休憩中の彼女を見ていた。
・その視界を、私が想像してレオナルド風に描く。
モナ・リザはこんなポーズで休憩したのかしら?こんな横顔だったのかしら?
② 「見返り美人 鏡面群像図」
・菱川師宣の理想の世界を、絵画の中で鏡に写すことで、そのリアリティを実体のある姿として見てみたい。
・ここでは無背景を角度と向きの違う6枚の鏡面に見立てて、そこに映り込む姿を描く。
見返り美人はこんな顔してたのかしら?どのポーズがお好き?
★視点をかえる
③ 「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」「三代目佐野川市松の祇園町の白人おなよ」
・写楽の大首絵は、役に扮した役者を実際に見て描いたと言われている。
・写楽独特の表現を手がかりに、大首絵から彼が実際見たであろう舞台に立った役者の姿を写実的に描き起こして再現した。
・舞台の後方には必ず書き割りか何か背景が見えていたと思うので、作品にもバックが付いている。
写楽が今生きていたらこんな風に描くかしら?歌舞伎役者の迫力が伝わりますね。
④ 「安井曾太郎と孫」
・「孫」で作者安井曾太郎はいきいきとした孫を画面に表すために、必要な変形、強調、省略を加えている。
・実際に安井が孫を描いていたときの様子を、安井の表現方法で描いたもの。
孫はおじいちゃんの隣でこんな風に自分の作品を眺めていたのかしら?
これらの作品を子どもに見せたらどんな反応があるかしら?イメージを膨らませてみる楽しさ、視点を変えてみる楽しさを伝えてあげたな。
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