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No弐-922  運動会の実態

 10月7日(土)の日本経済新聞に「運動会」についての記事があったので注目してみます。

◎板橋区の小学校の例

・9月末、4年ぶりに全校児童が集まる形で運動会を開催。(昨年は2学年ごとの分散開催)

・今秋は児童や多くの保護者がマスクなしで参加。

・恒例の入場時の行進や全校児童が参加する「大玉送り」、PTAや来賓の競技を廃止。

・プログラム全体は午前11時半ごろ終了。

 

◎名古屋市

・名古屋市立小の23年度の計画では95%が半日だけの開催。(コロナ前は62%)

・感染対策で時短開催の広がりがさらに加速。

・教員の負担軽減だけでなく、近年の厳しい暑さによる熱中症を警戒する学校が多い。

 

★運動会の見直し

・国は教員負担軽減策として呼びかけている。

・文科省は恒例行事を一律にコロナ前の形式に戻さず、必要なものを精選するように現場に要請。

・中央教育審議会は8月、教員の働き方改革に関する緊急提言の中で、開会式の簡素化や行進の省略によって運動会の練習時間を減らした例を紹介。

 

★運動会の歴史

・1874年に東京・築地にあった海軍兵学寮が開いた「競闘遊戯会」が先駆け。

・1885年、初代文部大臣の森有礼が学校での運動会を奨励し広がる。

・家庭総出で応援する光景が各地でみられ、地域を挙げた年中行事といった側面もあった。

 

★運動会のねらい

・学習指導要領で運動会は「健康安全・体育的行事」に位置づけられる。

・「ねらい」は、規律ある集団行動や責任感を身につける。体力を向上させる。

・開催方法や内容は各学校に委ねられている。

 

◎保護者の声

・アンケート(愛知県の小学校、23年度) 8割超の保護者が「午前開催で良かった」。全日開催支持は1割。

・弁当づくりといった準備の負担を訴える声が寄せられる自治体もある。

・一方、埼玉県の小学校では、保護者の「盛り上がりに欠ける」の意見は根強く、全日開催に戻すこと含め校内で協議する。

 

 いかがでしたか?皆さんの小学校も多くは「時短開催」ではないでしょうか?

「盛り上がりに欠ける」から全日に戻すのはいかがなもんでしょう?

「規律ある集団行動」の成果の発表の場として、入場行進の練習もあったと思いますが、なくなっても影響はないですよね。

 

 ただ「種目」については要検討です。運動会は子どもが育つ場であるべきです。子どもたちが力を合わせる絶好の場のはずです。

「徒競走」を残すのならば、当日だけ走らせて順位をつけるのではなく、もっと子どもの走力を伸ばしてほしいです。それには全員リレーがおススメです。休み時間も自主的に練習する姿が見られます。長距離走やハードル走も子どもたちに選択させてみたら、活躍の幅が広がります。

 

 「表現運動」を残すのならば、もっと「ダンス」を日頃から親しませてみてはいかがでしょう。子どもたち自身がグループで創る場があれば、教育的価値がさらに高まります。

 

 「団体競技」も本来一番子どもたちが楽しみにしている競技のはずです。団結するチャンスです。できれば2種目。他学年とかかわる種目をもう一つ。

 

 「応援団」も自主応援団が中心になり、保護者も巻き込んだ大歓声が会場に響いたらステキだと思いませんか?

 運動会は「見せる場」だけではなく、「育つ場」であってほしいです。

 帰りには、子どもたちが晴れ晴れとした顔で、応援してくれた大人(地域、保護者、先生、職員)にお礼を言いながら帰る姿が見られたらステキですよね。