· 

No弐-920 言葉の力

 昨夜のラグビー・バレーボールは、ともに敗戦。残念でした。

 私は、正面のテレビがラグビー、背面にバレーボールの試合を観戦しながら応援してました。さすがに首が痛くなりました。

 

 さて、昨日のラグビーの試合を各紙はどのように伝えていたのでしょう?

◎各紙の見出し

・「猛攻及ばず 桜散る」「スクラム圧力見せた」「格上に善戦」(読売)

・「夢消え 桜の勇姿は刻まれた」「全力尽くした 未来へ価値ある敗戦」「不屈の桜 4年後に花を」(朝日) 

・「大健闘ノーサイド・・・8強ならず」「日本散る」(スポニチ) 

・「日本敗戦、死闘及ばず」「大接戦、最後まで粘り」「スクラム健闘/じりじり追い上げ」(日経)

・「日本 飛躍へ道半ば」「前回超えられず『悔しさ』」(神奈川)

 

 この中で「言葉の力で桜戦士団結」(日経)の記事が目に留まりました。

・ラグビーワールドカップ日本代表を支えたのが、言葉の力だ。

・多国籍のチームが目標に向けてビジョンを共有し、困難に立ち向かうための結束をもたらしてきた。

・チームに一体感をもたらす上でも言葉は重要な役割を果たした。

★「侍タイム!」

・黒星を喫したイングランド戦後に選手らが考案した言葉。

・厳しい局面を耐え抜く勇気と自信を「侍」に重ねたもの。

・9月29日のサモア戦。終了直前に追い上げられ苦しい展開の中、選手同士で鼓舞し合う際に発した。

・必死のディフェンスで逆転を許さずに勝利に結びつけた。

・「言葉がうまく機能した。侍のような行動をとり、協力することが重要だった」(ジョン・ミッチェル・守備担当コーチ)

 

★「俺たちは1人じゃない。『柱』がいる」

・試合前のロッカールームなどで、主将の姫野選手がしばしば口にした言葉。

・試合登録メンバーに入らなかった選手を指す。

・ただの控え組ではなく、対戦相手の戦術や特徴を再現する練習パートナーの役割を担う。

・勝利に向けて欠かせない「支柱」という意味合いがある。

・出場できない悔しさを抑えて献身的に支える姿に、出場選手からは「柱のために体を張らないといけない」との声があがった。

 

 「柱」に関しては、昨日の朝日新聞にも載っていました。

◎「桜よ進め 10本の『柱』奮闘」「相手になりきり 交代にも備え」

・1チームあたり33人の選手登録が可能。試合に出場できるのは控えを含めて23人。必然的に10人が出られない。

・試合の約1週間前、チーム内で出場メンバーが発表される。10人の「柱」たちの仕事も、この瞬間から始まる。

・対戦相手の動きを分析し、サインプレーなども覚える。練習では、相手選手になりきってぶつかる。

・負傷者が出る事態に備え、試合ごとに変わる日本のチームの戦術やサインも覚える。

・つまり、「2チーム」分の準備を進めなければならない。

 

・「柱」と呼ぶきっかけは、ジェイミーHCの問いかけだった。

「『ノンメンバー』という言い方が好きじゃない。何か別の名前を、ノンメンバー自身で考えてくれないか」

・当時、日本代表のフッカー日野剛志が中心となり、考え出したのは「柱」だった。

「チームを家に例えるなら、俺たちは柱だ。丈夫な柱がなければ、家は崩れてしまう。

大事なのは、試合に出ないメンバーで考え出したということ。

 悔しさはあるけど、自分たちで納得した名前だからこそ、一つの与えられた役割をやりきろうというマインドに、みんながなれた。

 試合に出られない苦しみを知っているので、辛いと思う。でも、準備したことをメンバーが出し切っ勝ってくれれば『柱』の頑張りは全て報われる」

 

★「ここから『デスゾーン』。負けたら終わり」

・優勝を目標に定めていた日本代表は、挑戦を世界最高峰エベレストの登山になぞられた。

・ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチは大会初戦を前に、標高8000mの酸素濃度が薄い危険な領域を指す「デスゾーン」という言葉で、必要な覚悟を問う。

・練習場で肩を組み、エベレストの頂を見上げる選手の絵を掲示。

・命を落としかねない過酷なエリアを、一つのミスが敗戦につながるW杯に重ねた。

 

◎山内一保教授(立命館大・組織心理学)の話

・国籍など背景が異なる人材が、組織のパーパス(存在意義)やビジョンを共有するための合言葉を使うのは効果的

・ダイバーシティーを推進して競争力の向上を目指す企業にとっても、代表チームのチーム作りは参考になるだろう。

 

  支える力、言葉の力って大きいですね。子どもたちには共通の目標があるかしら?こういう体験をいっぱいさせてあげたいな。