昨日4日に文科省は昨年度の「問題行動・不登校調査」の結果を公表しました。毎年この調査結果に注目しています。一昨日から各紙が取り上げていました。
いじめの認知件数と不登校の小中学生数はいずれも過去最多でした。
◎いじめ 18万5803件(2013)→68万1948件(3.7倍増)前年より6万6597件(10.8%)増、過去最多。
・小学校55万1944件、中学校11万1404件、高校1万5568件、特別支援学校3032件。
・態様別「ネットいじめ」8788件(2013)→2万3920件(2.7倍増)、過去最多。
・いじめ認知の学校51.8%(2013)→82.1%(30.3P増)2万9842校
・いじめの状況解消 52万5773件(77%)
◎重大事態 179件(2013)→923件(5.2倍増)、前年より217件増、過去最多。
・357件(4割弱)は深刻な被害が生じるまで、いじめと認知できていなかった。
・重大事態に認定されると、弁護士ら第三者により調査が始まり、いじめの有無や再発防止策についてまとめられる。
◎不登校(小・中) 29万9048人(在籍3.2%)前年より5万4108人(22.1%) 増、過去最多。
・小学生10万5112人(1.7%)、中学生19万3936人(6.0%)、ともに10年連続増。高校生6万575人。
・不登校の子どもの11万4217人(38.2%)は学校、教育委員会、民間支援団体からの支援を受けていなかった。過去最多。
・年間欠席日数90日以上の児童生徒16万5669人(55.4%)
・年間欠席日数30日以上の小中学生10年連続増 小学生(1.7%)、中学生(6.0%)
◎自殺者(小・中・高) 411人 前年より43人増。
・子どもが置かれていた状況「家庭不和」最多、次いで「進路問題」。
・「指導死」2人(小学生1人、高校生1人)。
◎暴力行為(小・中・高) 9万5426件、前年より24.8%増、過去最多。
・7割は、児童生徒同士によるもの。
・小学校6万1455件、10年前(8296件)の7.4倍。中学校2万9699件、高校4272件。
★文科省の取り組み
・今後、子ども家庭庁などと連携して対応強化。
・柱となるのはカリキュラムの作成などで柔軟さを認める「学びの多様化学校」の拡充。
「不登校特例校」という名称は、ネガティブなイメージを与えると当事者から意見が寄せられ、23年8月から名称変更。
300校設置を目指すが、現在24校(公立14校、私立10校)。
・不登校対策の壁となるのは人材不足。スクールカウンセラー(3万人、21年)、不登校の急増に追いついていない。
・注目されるのはデジタル技術を活用した支援。メタバース(仮想空間)で支援、デジタル端末を活用した心や体調の変化早期発見、オンライン体制の充実。
・「校内フリースクール」の開設
★後藤武俊准教授(東北大・教育行政学)の話
・多様化校やオンライン授業など子どもそれぞれのニーズにあわせた取り組みは欠かせない。
・不登校にならないよう、授業時間数などそもそもの学校の学び自体が過密になっていないか見直す必要がある。
「過密の見直し」は私も大賛成です。もっとこの数字に危機感を持たないとこの暑さ同様、増加をストップさせることはできないのではないでしょうか?
いじめや不登校を減らすには、子どもにはあたたかい経験をたくさんしてほしい。
そのためには大人がまずあたたかい環境にいること。あたたかい職場が増えれば、あたたかい言葉をかけてもらえる。きっとこの数字は下がっていくと信じます。
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