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No弐-906  学校からなくなったもの4

 朝日新聞に連載されている「学校の『アレ』」は今」からです。今日は、7回目の「HB鉛筆」と8回目の「理科室の実験器具」を紹介します。

⑦「HB鉛筆」(9月19日)

・都内のある公立小学校では、今年度の入学のしおりに「鉛筆は2Bを5本持たせてください」と記載。

・長く書いても疲れないとされる2Bが推奨されやすいのではないか。

 

★データ

◎学童向け鉛筆の販売割合(三菱鉛筆)

・2001(2B 50.0%、HB 14.0%)→2022(2B 74.8%、HB 0.7%)  

◎学童向けと一般向けを合わせた鉛筆の販売割合(トンボ鉛筆)

・1999(2B 22.1%、HB 44.0%)→2022(2B 53.9%、HB 20.2%)  

・ICT化の中で事務用のHBの需要が減少したことで、2Bの構成比が高まっている面がある。

 

★筆圧

・学校現場で2Bが推奨される理由は、SNS上などでは「子どもの筆圧低下では」の声がある。

・以前の調査結果と近年のデータを比較しても、子どもたちの筆圧が低下している傾向は得られていない。

・1970年代の調査では、小学校低学年の方が高学年より筆圧が強いとの結果も出ている。一般的に低学年の方が強いとみられる。

・就学前教育が進んだことで、幼いころから鉛筆に慣れ、筆圧の調整能力が高くなっている可能性はある。

 

・鉛筆は明治維新の際にドイツ、英国から入ってくる。

・日本の鉛筆は最も硬い9Hから柔らかい6Bまで、全部で17種類。

・アメリカではBやHではなく、数字の「1~5」の5段階で表示。

・Hは「ハード(かたい)」、Bは「ブラック(濃い)」、Fは「ファーム(しっかりした)」。

 

 最近鉛筆を使わないから分からないのですが、皆さんはどれを使いますか?HBは確かに薄く感じます。HBとHの間の「F」なんて懐かしいです。

 

⑧理科室の実験器具(9月24日)

◎「上皿てんびん」 一方の皿に物質、もう一方の分銅を置いて質量を図る道具。

・使用頻度は中学3年間で1回程度。最近は電子天びんを使用。

◎「アルコールランプ」 小学校ではカセットコンロを使用。

・1990年代にランプが倒れて引火し、児童がやけどする事故が相次いだため、小学校では10年以上前から見られなくなった。

・中学ではかなり前からガスバーナーに変わる。ガスは火力も調整できて安い。

◎「温度計」水銀→アルコール→デジタル

・センサー温度計は、リアルタイムで測定し、端末にデータを送り込める。

◎「顕微鏡」単眼→双眼

・反射鏡がなく、照明装置照らすものも出てきた。

 

 上皿てんびんで分銅を順に置いて量ったことを思い出しました。分銅は手で触ってはいけなく、ピンセットを使いましたよね。確かにアレだと時間がかかるし、電子天びんなら一発ですもんね。