昨日の第114回定例「9月のがるべる」は、航空大学の鈴木順夫さんに2回目の講師をお願いしました。初の恵比寿会場に8名(+子ども1名)が参加してくださいました。
前回は昨年の4月にLINEがるべるで、「飛行機はどうして飛ぶのだろう?」というテーマで「揚力」の話や実際に紙飛行機を飛ばす実験をして、動画を使って分かりやすく解説してくださいました。
今回の一般がるべるのテーマは、「飛行機を飛ばすとはどういうことか」でした。
★目的 フライト訓練では、どんなことを考えているか?何をしているか? 疑似体験を通して理解する。
★滑走路番号 「35」や「17」などの数字は何を表しているか?
・方位角 北0度(=360度) 東90度 南180度 西270度
・滑走路の磁方位を10度単位であらわしたときの上2桁。
・帯広空港の滑走路はほぼ南北。
★訓練紹介
◎空中操作(Airwork) 操縦の基本の習得(高度3000~6000ft)
①基本飛行 ②低速飛行 ③失速 ④急旋回 ⑤模擬不時着
◎連続離着陸(Touch and Go)
空港周辺の指定された経路を使って、1周約7分の間に「離陸→巡行→着陸」を行う。
離着陸が安定してできるようにならないと単独飛行はできない。
◎航法(Navigation)
機位を把握し、針路を決定し、到着予想時間を算出。地図、Navigation Logに書き込む。
★pre-flight「どんな準備が必要?」
◎午前フライト訓練までの時程
6:30起床 6:45天気図の色塗り 7:15アルコール検査後、朝食
7:30 ブリーフィング、訓練の準備 7:50 訓練内容を班員と確認
8:00 飛行前ブリーフィング 8:45フライトプラン提出、機体点検(駐機場)
9:00 訓練開始(Ramp Out)
◎飛行前ブリーフィング
・フライト前に確認しておかなければならない事項をクルー全員(教官、訓練生)で共有。訓練生は教官に確認事項、訓練実施の可否を説明する。
・「Weather Briefing」 訓練時間内の気象条件が航空法、運航規程を満たしているか確認。
「定時飛行場実況気象通報式」(略称METAR、航空気象情報を英数字によって通報するための書式)の情報。「Wind Limitation」(風向風速)の情報。
・「Weight and Balance」 離陸重量、着陸重量、重心位置、重量分布の確認。
・「NOTAM」(航空関係施設、業務、方式と危険等に係わる設定や状態、変更等についての情報)の確認。
これにより訓練実施の可否を判断。
・さらに使用する訓練空域・注意事項、飛行ルート・高度、他機情報、訓練科目の着意事項等を確認。
★機長の出発前確認「メウエノキネンブツ」
「メ」ンテナンス・「ウエ」イトアンドバランス・「ノ」-タム・「キ」ショウ・「ネン」リョウ・セキサイ「ブツ」
★in-flight「上空での思考回路」
◎水平直線飛行時にはどこ、何を見て操縦するか?
・CROSSCHECKが大事。
・基本は外(目標設定、水平線の位置、傾き、他機、雲)を見る。
・計器(速度計、姿勢指示器、高度計、方位計、%パワー計)を見る。
◎操縦するということ
・「イメージフライト」地上でイメージしておく。
・CROSSCHECK、状況認識、定量的な操縦、様々なタスク(CHECKLIST、管制、WCA偏流修正角の計算、到着予想時刻の計算・・・)、Threatへの対処(悪天候、他機の接近、故障・・・)
★訓練生の7つ道具
①地図・航空図・Glid map・場周経路図 ②サングラス ③携帯トイレ ④エチケット袋 ⑤ニーボード ⑥メモ用紙・筆記用具 ⑦撮影用機材
パイロットの話を聞くのは初めてだったので何もかも新鮮でした。こんな話を子どもたちにも聞かせてあげたいなと思いました。
滑走路の数字クイズなんて飛びつくかもしれませんね。高学年なら「定時飛行場実況気象通報式」をヒントカードをもとに解かせても面白そうですね。
ニーボードを見せたらオリジナルボードを作る子がいるかもしれまんね。想像が膨らみます。
何よりも事前準備の大切さ、しっかりイメージしておく見通す大切さに気が付いてくれたら、ステキな学びになりますね。
3回目はどんな話をしてくれるかしら?楽しみです。
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