9月18日(月)の朝日新聞に「宇宙食の歴史と未来」の記事がありました。有人宇宙飛行が始まって約60年、宇宙食は進化しているそうです。
★宇宙食の歴史
◎1960年代前半「マーキュリー計画」(滞在期間 十数分~約1日)
6人の宇宙飛行士の宇宙飛行に成功。
・チューブに入ったペースト状のもの、ひとくちサイズの固形食。栄養価や軽量化が優先で味は不評。
◎1960年代後半~70年代前半「アポロ計画」(滞在期間 約2週間)
人類初の月面着陸(1969)、72年までに12人が月面に立つ。
・お湯が使えるようになり、お湯を戻して、通常の食事と同じようにスプーンで食べられるようになる。
◎1970年代「スカイラブ計画」(滞在期間 約3か月)
初の宇宙ステーション、3回宇宙飛行士を送り、最長84日滞在。
・ふた付きのアルミ缶に入った食品を加熱用トレーに載せ、温めて食べられうようになる。
◎現在「国際宇宙ステーション」(滞在期間 約半年)
上空約400㎞の宇宙実験室を日米欧15か国で協力して利用。
・飛行士の飽きがこないように食品のレパートリーが増え、飛行士らが同じテーブルを囲む「味わう食事」へと変化。加温機でレトルト食品や缶詰は温められるようになる。補給機で果物や野菜も新鮮な状態で届く。
★宇宙食が満たすべき条件
①常温で1年半以上の長期保存が可能。
・地上から宇宙船へ頻繁に物資を運ぶことができないので、宇宙船の内部に食品を保存する必要がある。
②粉末や液体が飛び散らない。
・宇宙船内部には、宇宙での活動や生命維持に必要不可欠な精密機器が数多く設置されているので、容易に砕けたり、液体が飛び散るような食品は、機器を破損させる恐れがある。
③味を濃くする。
・宇宙では味覚が鈍くなるため味を濃くする。
★2つの宇宙食
・「標準食」(米国とロシアが提供)がメイン(85%)と「ボーナス食」(飛行士個人が自分で選ぶ)(15%)。
・日本人飛行士のほとんどは、ボーナス食としてJAXAが認証した「宇宙日本食」を持っていく。日本食の慣れ親しんだ味はストレス緩和になる。
・宇宙日本食はナトリウムが多い。(骨量の減少が進んでしまう恐れ)
★地産地消の試み
・年単位の宇宙での長期滞在に向けて、地産地消の取り組みが進む。
・「月面での植物栽培」 地球の6分の1の低重力、降り注ぐ放射線、過酷な温度変化(昼と夜が約2週間、昼110度、夜マイナス170度)
〇米国NASA LEDの光を使った水耕栽培実験。15年ロメインレタス栽培、試食。
月の砂「レゴリス」植物栽培実験。 22年植物発芽発表。
〇中国 綿花の種発芽(数日後に枯れる)
〇日本 月の地下に農場(今年1月「宇宙園芸研究センター」千葉大設置)
・トマトやレタス、イネ、ジャガイモなどの8種類を候補に品種改良。
・種まきや受粉、収穫ができるロボット技術開発。
・植物の廃棄物や人間の排泄物を肥料にする処理法の開発。
こんな話題も子どもたちにいかがでしょうか?
さらに「宇宙食が満たすべき条件」を考えさえてもおもしろいかもしれません。
★宇宙食が満たすべき条件2(Wikipediaより)
④できるだけ軽量。
・宇宙船に積載する貨物の重量制限。
⑤強い臭気を伴わない。
・船内は密閉されているので換気ができない。脱臭装置の能力にも限界がある。
後片付けに費やす時間と手間が増えて、他の活動を妨げる可能性もあるので、食品が飛散しないよう加工する必要。
⑥栄養価が優れている。
・宇宙食のみを飲食するので栄養のバランスに注意が払われ、狭い船内でストレスを被らないようにデザート等の娯楽要素も必要。
⑦温度変化や衝撃に耐える。
⑧特別な調理器具を必要としない。
現在の宇宙食は種類も豊富になり、その種類は1000種ほどもあるそうです。
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