今日の読売新聞ニュースの門は、「吹奏楽」についてでした。
「日本は100万人超が楽器を手にする吹奏楽大国だが、かつてない岐路に立たされている」ことをご存じでしたか?
★吹奏楽の歴史
・管楽器と打楽器で奏でる吹奏楽は、英国では「ウインドオーケストラ」と呼ばれる。
・古代エジプトでは、ラッパを描いた壁画、ツタンカーメン王の墓からは銀製のラッパも出土。
・中世のトルコでは、弦楽器と違って屋外で大音量の演奏ができるので軍楽隊として発展。
・11~13世紀、十字軍と戦った際にその音色で人々を驚かせる。
・後の西洋音楽に大きな影響。モーツァルトやベートーベンも「トルコ行進曲」を作曲。
・18世紀以降は欧州各国で軍楽隊が広まり、楽器の改良、編成の大型化。
・米国では、学校教育や社会教育にも取り入れられ、市民楽団も多い。
・コープランド(20世紀を代表する作曲家)、バーンズ(吹奏楽の重鎮)らが、吹奏楽の名曲を残す。
★日本の吹奏楽
・日本には1853年の黒船来航で伝わる。
・ペリーに随行した画家の「ペリー提督黒船陸戦隊訓練の図」には、ラッパや太鼓を手にした兵士が描かれている。
・1869年、国内初の吹奏楽団は薩摩藩士の軍楽隊(英陸軍の軍学隊長フェントが指導)。
・大正期、「いとう呉服店少年音楽隊」(現・東京フィル)など百貨店や遊園地にも楽団が登場し、民間に広まる。
・国内最古のプロ吹奏楽団「オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ」(前身・大阪市音楽隊)。
・第2次世界大戦中、戦意高揚に一役。
◎全日本吹奏楽コンクール
・第1回は1940年大阪開催。
・10月開催、昨年は約1万団体参加(中学約6000、高校約3000)。
・今夏、高校野球地方大会に約3500チームが出場。「吹奏楽の甲子園」
★戦後の吹奏楽
・戦後、学校教育の中で飛躍的に発展。
・1947年に新制中学校が誕生すると、次々に吹奏楽部が新設。国体や高校野球を盛り上げる役割を果たす。
・団体数 70年頃(約3000)→2022年(13460)
・ヤマハなど国内メーカーが楽器の開発や普及に力を入れ、各地に音楽ホールが誕生したことも寄与。
・文化庁動調査 部活動の吹奏楽を選ぶ中学生1位(10.4%)、高校生2位(6.3%)。
◎吹奏楽を描いた作品
・映画「スウィングガールズ」(2004)
・小説・映画「ハルチカ」(2008)
・漫画・映画「青空エール」(2008)吹奏楽と野球の名門校が舞台の青春物語。全19巻、450万部突破。実写版映画、ラジオドラマ。
・小説・アニメ「響け!ユーフォニアム」(2013)架空の高校吹奏楽部が活躍。テレビや劇場版でアニメ化。
・漫画「宇宙の音楽」(2022)
★岐路
・ほぼ右肩上がりで増えてきた加盟数団体は、コロナ禍が本格化した2020年以降減少顕著。
・さらに懸念されるのが学校の部活動(中学だけで7000以上)。
・国は働き方改革の一環で、部活運営地域移行を提唱。
・指導者、楽器の購入、練習場所の確保などの課題。
・部活動ができなくなれば、吹奏楽人口は激減する。
私も小学校時代にユーフォニウムを吹いたことがあります。音が出る喜び、仲間と音を合わせる経験って子どもには必要ですよね。
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