朝日新聞に連載されている「学校の『アレ』」は今」からです。今日は、5回目の「視聴覚室」と6回目の「わら半紙」を紹介します。
⑤視聴覚室(9月4日)
・じゅうたん敷きの床に、無数の穴があいた有孔ボードの壁。暗幕をひくとミニシアター。
★必ず学校に設置しないといけない部屋(「学校設置基準」)
①教室(普通教室、特別教室等) ②図書室、保健室 ③職員室
・文科省の「学校整備指針」に「視聴覚教室」の項目がある。
・視聴覚室は、主に映像をみるための用途で使われている。
・GIGAスクール構想で整備された「1人1台端末」を活用すれば、一人ひとりが手元で映像を見ることができる。
・公立学校の多くには、各クラスにプロジェクターや電子黒板が整備されている。
・こうした状況を受けて、「役割を見直す必要が出てきている」(文科省担当者)
・2026年福井県北部の森田地区に開校する中学校の公表されている図面には「視聴覚室」の名はない。
⑥「わら半紙」(9月10日)
・わら半紙は柔らかすぎてコピーには向かないため、1980年代後半、デジタル印刷機が登場したのを機に、世の中は白い「コピー用紙」へと移り変わっていく。
・しかし、学校現場はデジタル印刷機やコピー用紙の値段はまだ高く、しばらくは安価なわら半紙が学校のマストアイテム。
・印刷機が低価格となり、コピー機も大量生産され、わら半紙は消えていくが、まだ細々と生き残っている。
・手を切らないので、児童向けの施設で使いたいという声。
・現在は価格は逆転し、わら半紙はコピー用紙の2倍以上。1枚2円程度。
・わら半紙にはかつて「わら」が原料。
・下級印刷紙の「ざら紙」を「わら半紙」と呼ぶようになり、わらを使わなくなった今もその名は残る。
・学校ではわら半紙だけではなく、紙そのものを利用する機会が減っている。
★柴田博仁教授(群馬大・認知科学)の話
・紙は学校からなくならない。
・集中力を要する学習の際は紙が有益。
・文章を読む際に、人は視覚だけでなく、触覚も使う。「手で読む」といった一面もある。
目次に指をはさむことですぐに戻れ、複数資料も簡単に操作できる。
・わら半紙こそ、記憶に良い学習効果も期待できる。
・ざらざらのわら半紙は、コピー用紙より書けば書くほど鉛筆が削れる。
モノに情報を刻む感覚があり、情報を体得し、知識にしていく過程に好影響を与えている可能性がある。
「視聴覚」って硬い言葉ですよね。若い頃、視聴覚部の合宿に水上に行ったこと思い出しました。
わら半紙も薄くて、消しゴムを使うとよく破れるので、新しく中質紙が入ってきましたっけね。
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