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No弐-887  学校からなくなったもの2

 朝日新聞に連載されている「学校の『アレ』」は今」からです。今日は3回目の「腰洗い槽」と4回目の「ソフト麺」を紹介します。

 

③腰洗い槽(8月28日)

・プールに入る前後につかる深さ70㎝程の水槽。

・50年代に東京都が条例で設置を義務付けたのを機に広がった。

・かつてプールは何日か使った後に、水を総入れ替えする方式だった。

・最後の方は水質が安定しているとはいえない状態だったので、下半身を消毒することで、少しでも水質をよくしようというのが役割だった。

・市民プールでも設置された。

・90年代から濾過装置を備え付け始め、今では95%以上のプールに設置されているので、必ずしも腰洗い槽は必要としない。

 

・80年代から腰洗い槽の塩素に対し、不安の声。

・腰洗い槽の残留塩素濃度は1ℓあたり50~100㎎。

・プールで推奨される濃度の100倍になることもあり、「皮膚に悪い」「目が炎症を起こす」との心配の声。水泳授業ボイコットも起きるほど問題になっていく。

・92年、厚労省が市民プールの「廃止」に方針変更。

・各地の教育員会でも義務ではなくなり、現在も必須ではなくなっている。

 

・今多くの学校ではシャワーを浴びた後に、プールという流れが主流。

・全国的には温水シャワーと取り付ける学校は増えている。(豊島区では30校中27校は温水シャワー)。「地獄のシャワー」はなくなりつつある。

 

④ソフト麺(9月3日)

・戦後の給食は。米国やユニセフからの支援で始まった。

・小麦粉中心の流れに、製麵業者は「給食に麺を提供できないか」と参入を希望する。

・給食は提供するまでに時間がかかるため、麺だと伸びてしまう。

・この難点を克服したのが「ソフト麺」。

・ゆでる前に「蒸す」工程を加え、生麺を蒸した後で、ゆであげ、冷やすことで、「栄養が逃げない」「伸びにくい」麺ができた。

・正式名称は「ソフトスパゲティ式めん」。

・中力粉を使ううどんとは異なり、パン粉の強力粉が使われたため、スパゲティに分類。

 

・ソフト麺が学校給食に導入されたのは1960年代。

・東京都を皮切りに。全国に広がり、1970年代にはベスト10に入る人気給食になる。

・76年に米飯給食が始まり、85年に「全国平均で週3回程度は米に」と目標を掲げられたことで、麺自体の回数が減少。

・ソフト麺は個別包装し、箱詰めした後に蒸気で殺菌する配慮も必要で、生産者側も手間がかかるので、業者が減った。

・「ソフト麺は利益が上がらない。小麦粉の値段も高熱費も上がり、撤退も理解できる」(製麺業者)

・現在、中華麺やスパゲティ、うどんなど種類も増え、ソフト麺は麺類全体の1割に満たない。