読売新聞には毎月1回「言の葉巡り」が連載されています。先月No弐-850(7月31日)は、「言い間違い」を取り上げました。
「ここバリケード(アーケード)がなくなっている」「あなたはマーマレード(マーメード)」
「ものがね(ものまね)歌合戦」「いどろり(いろどり)豊か」「ちばなをひらす(火花を散らす)」「ワナナバニ園(バナナワニ園)」「待ってました、ガスバイドさん」・・・今聞いても笑っちゃいますよね。
8月の「言の葉巡り」(8月30日)は、「『語の重なり』は様々」ということで「重言」を取り上げていたので注目してみたいと思います。
・スーパーに「節電のため、一部の照明を消灯・・・」という表示があった。「照明を消し」でいいかな。
・酒売り場では「20歳以上の年齢を確認・・」。「20歳以上であること」でよさそう。
★「重言」(明鏡国語辞典のコラム解説)
①言葉を重ねる意味がない、表現が冗長(じょうちょう)になるなど、不適切(あとで後悔する)
②意味が明確になる、強調されるなど不適切ではない(アンケート調査、一番最初)
③日本語の一般的な用法(歌を歌う、建物を建てる)
・不適切かどうかという考え方は様々。
・本紙では「排気ガス」は「排ガス」、「かねてから」は「かねて」としている。
★略語
・略語は意味の重なりに気づきにくい。
・IT(情報技術)技術、JIS(日本産業規格)規格
★川の表記
・「利根川」(Tone River)「固有名詞部分はローマ字」「普通名詞部分は英語」が基本
・「荒川」(Arakawa River) 「Ara River」では日本人には通じないための表記。
・「ナイル」「インダス」「ガンジス」などは、元々それ自体「川」の意味。
・「チゲ鍋」はあまり聞かなくなった。チゲは韓国では鍋料理を指す。
こうなると他にはどんな「重言」があるか調べてみたくなるではありませんか?
・最後の追い込み、今現在、あらかじめ予約、すべて一任、過半数を超える、返事を返す、捺印を押す、引き続き継続、必ず必要、お金を入金、馬から落馬、最後の終電、車(電車)に乗車、頭痛が痛い、学校へ登校、犯罪を犯す、被害を被る、収入が入る、尽力を尽くす、挙式を挙げる、色が変色、日本に来日、アメリカへ渡米、訃報のお知らせ、まだ未定、満天の星空、暇の合間、断トツの1位、銃声音、内定が決まる、最後の切り札、初デビュー、車の車間距離、各家庭ごと、思いがけないハプニング、甘いスイーツ、昼食のランチ、最後のラストシーン、平均アベレージ、一番ベスト、後ろへバック・・・。
・ハングル文字(グルは朝鮮語で「文字」の意)、クーポン券 (クーポンはフランス語で「券」の意味)、アイヌ人(アイヌはアイヌ語で「人」の意)、3人トリオ(トリオには3の意味)、4人カルテット、2人ペア、1人ソロ、サハラ砂漠 (サハラはアラビア語で「砂漠」の意)、ゴビ砂漠(ゴビはモンゴル語で「砂漠」の意)・・・。
・マグカップ (マグはカップの意味)、ガードマン(ガードは「警備員」の意味)、フラダンス (フラはハワイ語で「ダンス」の意味)・・・。
日頃、重言と知らずについ使ってしまっている言葉ってたくさんありますよね。「朝の朝会」「机の机上」なんて言ってしまったことありませんか?
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