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No弐-866  消費トレンド

 8月2日(水)の日本経済新聞「大学」欄の「消費トレンドを知ろう」「『トキ経済』人が見える」に注目しました。

★消費はモノからコト、トキへ

・経済社会はもともと「モノ消費」が中心。

・経済が豊かになるにつれ、人々は生活必需品を買っても余るお金を、快楽のために使うようになる。

・いかに他者との違いを示すか、モノの差違の中に自分らしさを表現した。

 

・次第にモノへの関心が薄れていく。

・どの商品も機能や品質が似たりよったりで、売り手は微細な差違を強調し消費を喚起するが、かつてほどの驚きや感動がない。

・さらにモノが増え、買い物で選ぶのがストレスになる。

 

・1999年「モノより思い出」(日産「セレナ」のテレビCMキャッチコピー)

 この辺りからモノから「コト消費」の転換点。

 

・やがて、人々はその時、その場でしか味わえない再現不可能な体験を求めるようになる。

 不特定多数が集まるハローウィーンイベント、スポーツ観戦、音楽フェス。

・コトと区別して「トキ消費」と呼ばれる。

・ネット上にはあふれんばかりの動画や写真が投稿され、ありきたりの体験では既視感。

・ネットは便利で楽しいけれど、もっと生きている喜びを実感し、感情をゆさぶられるような体験がしたい。

・トキ消費には、「参加してその場の盛り上がりに貢献している」「みなと同じ感動を分かち合っている」という共同体に帰属しているような安心感も同時に得られる。

 

・体験や経験はしばしば「人」に向かう。

宇多田ヒカル(1999)、イチロー(2001)、安室奈美恵(2018)、大谷翔平(2021)

・クラウドファンディングや投げ銭など人を応援するデジタル環境も整い、ますます応援消費が身近になる。デジタルが消費に与える影響は計り知れない。

 

★コスパ&タイパ(2022)

・動画や音楽のサブスク。あれもこれも見たいけど時間が足りない。

・「時間を無駄にしたくない」という気持ちが強まり、倍速再生や本の要約サイトなど、時間までもが商品になった。

・消費は心理学。これからの注目は人への消費である。

 

★日経MJヒット商品番付の歴代「横綱」

1972年「マンション」、1973年「温風ヒーター」、1974年「マフラー」「ネックレス」、1975年「がん保険」「婦人服」、1976年「女性用ブーツ」、1977年「ふとん乾燥機」「人間の証明」、1978年「円」、1979年「カラーテレビ」「金」

 

1980年「VTR」「マイコン」、1981年「金」「期日指定定期預金」、1982年「1リッターカー」「新金融商品」、1983年「VTR」、「東京ディズニーランド、1984年「しょうちゅう」、

1985年 「ミノルタα-7000」「CDプレーヤー」、1986年「メンズDCブランドファッション」、1987年「スーパードライ」「アタック(花王)」、1988年 「宝飾品」「東京ドーム」、

1989年「イタリアンファッション」「1円玉」

 

1990年「エコロジー商品」「ファジー家電」、1991年 (なし)、1992年「複合不況(宮崎義一)、1993年「Jリーググッズ」「セービング(ダイエー)」、1994年「バーゲンブロー(ダイエー)」「低価格PBコーラ」、1995年「ウインドウズ95日本語版(マイクロソフト)」「NOMO」、1996年「激安携帯電話・PHS」「キャナルシティ博多」、1997年「もののけ姫」「東京三菱銀行の預金」、1998年「横浜(ベイスターズ、ベイサイドマリーナ、横浜高校)」「消費税分還元セール」、1999年「低価格パソコン」「宇多田ヒカル」

 

2000年「ユニクロ」「平日半額バーガー(日本マクドナルド)」、2001年「メード・イン・チャイナ」「イチロー」、2002年「丸ビル」「カメラ付き携帯電話」、2003年「デジタルAV機器」「昭和」2004年「韓流」「アテネ特需 」、2005年「iPod & iTunes Music Store」、2006年「デジタル一眼レフ」、「ショッピングセンター」、2007年「Wii & DS(任天堂)」「電子マネー」、2008年「 ユニクロ・H&M 」「セブンプレミアム・トップバリュ」、2009年「エコカー」「激安ジーンズ」

 

2010年「スマートフォン」「羽田空港」、2011年「アップル」「節電商品」、2012年「東京スカイツリー」「7インチタブレット」、2013年「セブンカフェ」「あまちゃん」、2014年「インバウンド消費」「妖怪ウォッチ」、2015年「北陸新幹線」「ラグビー桜ジャパン」、2016年「ポケモンGO」「君の名は。」、2017年「アマゾン・エフェクト」「任天堂ゲーム機」、2018年「安室奈美恵」「TikTok」2019年「ラグビーW杯」「キャッシュレス」

 

2020年「鬼滅の刃」「オンラインツール」、2021年「Z世代」「大谷翔平」、2022年「コスパ&タイパ」、「#3年ぶり」、2023年上半期「5類移行」「WBC世界一」

 

懐かしいのがあるでしょ?