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No弐-865 かき氷

 昨日はアイスを話題にしました。アイスを日本一消費している地域は、金沢市でした。

 気温が上がるに連れて「濃厚な味のアイス」→「さっぱりとしたアイス」→「かき氷」→「甘味の少ない飲料水」に変わるのはなるほどと思いました。

 

 昨年もNo弐-522(2022年8月31日)で「アイスとジェラート」を取り上げました。

アイスクリームとは、「牛乳や砂糖などの材料をクリーム状に冷やし固めた冷たいお菓子」のことで、乳固形分、乳脂肪分との割合で「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」「氷菓」の4種類がありました。

 ジェラートとは、イタリア語で「凍った」という意味で、アイスクリームだけでなく、シャーベットなども含めた氷菓子の総称でした。

 一般的には、アイスの原料に対する空気の混合割合に違いで、アイスクリームは40~100%、ジェラートは20~40%で低めなので、ねっとりした口当たりになります。

 

 今日は、「かき氷」に注目してみます。8月12日(土)読売新聞「ニュースの門」からです。

★かき氷の歴史

・平安時代 清少納言の随筆「枕草子」の一節(国内で最も古いかき氷の記述)

「あてなるもの」(雅やかで上品なもの)と称えた。

「削り氷(ひ)にあまづら入れて、新しき金碗(かなまり)に入れたる」

(細かく削った氷に「甘葛(あまずら)」という古代の甘味料をかけて、新しい金属製のおわんに入れた)

・1000年前の平安中期は、氷も甘味料も大変希少で、かき氷は貴族くらいしか口にできなかった。

 

・明治時代、各地に製氷所でき、庶民が味わえるようになった。

・戦後、製氷機能付き冷蔵庫が普及し、安価なかき氷器もでき、身近なものになった。

 

★氷室

・氷は厳冬期に凍った池から切り出したものを、夏でも涼しい山間部の氷室に保存。

 氷室は山城、大和、河内、近江、丹波の5国に10か所。

 氷を藁やおがくずで覆い、夏季に取り出して、荷車で運ぶ。

 

・奈良時代の女帝・元明天皇が710年の平城遷都と同時に氷室を置き、「献氷」を行った。

・奈良県天理市福住町には、氷室の跡と伝わる穴が残る。

 

★甘葛

・琥珀色で、蜂蜜ほどの甘さがあった。

・原料は、諸説あり、正式な製法は分からない。

・植物から採取した樹液を煮詰めた甘葛煎として保管。砂糖の普及で江戸時代に姿を消す。

・奈良では、甘葛煎の再現を目指す市民プロジェクトが進む。

・今夏から奈良市の人気かき氷店「ほうせき箱」で、甘葛煎風味のシロップをかけたかき氷を提供。

 

★最近の独創的なかき氷

①奈良市のカフェ「ラ・テラスオールデイダイニング」 地元農家のイチゴをふんだんに使用。

②奈良市のカフェ「ザ・ヒルトップテラス奈良」 パティシエが監修したショコラ。

③麻布十番の菓子店「麻布野菜菓子」 セロリやトマトを取り入れたかき氷が売れ筋。

④京都・四条の洋菓子店「リッシュ ユイット」 洋菓子の技法を生かしたパフェ風。

 

 全国の店を食べ歩き、写真をSNSにアップするかき氷愛好家は、「ゴーラー」というんだそうですよ。テレビでも独創的なかき氷はよく紹介されていますが、ただ値段も気になります。

 ぜひ皆さんもおいしいかき氷を食べたら、アップして教えてください。