8月6日(日)の朝日新聞「時時刻々」で水難事故を取り上げていました。確かに今年は、コロナから解放され、猛暑のせいか、川遊びや海水浴に出かけ、子どもが命を落とすニュースを聞く機会が増えたように感じます。
・今年7月以降、少なくとも7人の中学生以下の子どもが川で亡くなっている。(朝日新聞)
・川での子どもの死者・行方不明者は、過去5年間の7~8月平均(6.8人)をすでに上回る。(警察庁)
★子どもの水難事故
・18~22年の水難事故で亡くなったり、行方不明になったりした中学生以下の子どもは137人。
・河川(75人)、海(26人)、湖・沼・池(15人)、用水路(15人)、プール(3人)、その他(3人)(警察庁)
★水難事故多発地点
・死亡事故が約10年で3件以上発生した地点は、18都県の川と湖に43か所。昨年から3カ所増。(河川財団)
・バーベキューなどに向いた大きな河原、上流域のキャンプ場付近が大半を占める。
・落としボールやサンダルを拾おうとして溺れたり、弟や妹を助けようとして二重事故になったりしている。
★川の危険な場所
・事故が繰り返される地点の構造的特徴は、川が曲がっている場所が多く、カーブの外側は水の流れで川底が削られて深みになりやすい。
・川が屈曲するところに生まれた複雑な流れが事故を起こす。
・深いと水温が低いので足をつる可能性がある。
①エディーライン(主流と流れが穏やかな場所の境目)
・二つの部分を分ける境には小さな渦が連なって発生。
・川の底に向かう下の流れが発生する場合がある。
・ラインを乗り越えて渡ろうとすると、足が下に引き込まれそうになる。
②アンダーカット(岩の下がえぐられるように削られている)
・水面に下から湧き出るような水のふくらみが出ているのがサイン。
・岩のくぼみに引き込む流れが発生しているため、流れにのまれる事故につながる。
③その他
・橋の橋脚の周辺や堰堤(えんてい)には、複雑な流れがあるため、近づかない。
・コンクリートの護岸は、コケで滑りやすく、落ちてものぼりにくい。
・浮き石は、足を乗せるとバランスを崩して転倒し、流されるおそれもある。
★川や海で溺れている人を見かけたら
・飛び込んで助けようとしてはいけない。陸上から。
泳力、体力、救助技術がなければ難しく、二重事故につながりやすい。
・救助は1人より複数で行う。
・119番に通報し、周囲に大きな声で異変を知らせる。
・「今助けるからね」などと声をかけて落ち着かせる。パニックになって呼吸が荒くなることで肺の中の空気が出てしまって浮力が減少するのを防ぐ。
・足場の安全を確保し、タオルや傘、棒、板など近くにあるものを差し出し、引き寄せる。
・岸から遠い場合は、ペットボトル(少量の水)を投げ渡し、浮かび続けてもらい、救助を待つ。
・海では、「離岸流」(打ち寄せた波が戻る時に発生する強い流れ)に入ってしまうと、沖まで流されてしまうので、気を付ける。
・対策として大事なのは、子どもも大人もライフジャケットを着用。
「エディーライン」や「アンダーカット」という用語はご存知でしたか?
「泳げる人でも亡くなる」ことを肝に銘じ、子どもたちには、毎年水難事故の実態と救助法を伝えていきたいですね。
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