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No弐-848 ウナギ

 明日7月30日は「土用の丑の日」ですね。皆さんはウナギを食べますか?

 今日は、7月9日(日)読売新聞「ニュースの門」に「ウナギ」のことが書かれていたのを思い出しました。

・近年、ウナギの供給量は減少し、価格も高騰している。

・近い将来、食卓から消える可能性もあり、「完全養殖」の研究が進められている。

 

★ウナギの歴史

・古くは縄文時代の遺跡から骨が見つかるなど、ウナギは日本人には身近な存在。

・江戸時代後期には、みりんが普及し、甘辛いかば焼きが庶民に浸透。土用の丑の日に食べる習慣が広まる。

・1852年に作られた江戸のウナギ屋ランキング「江戸前大蒲焼番付」には200軒超が名を連ね、当時の人気がうかがえる。

・「料理の新しさ、滋養のある食材、旬のものが健康に良いという考え。この三つがそろい、今に続く人気が生まれた」(東四柳祥子教授、梅花女子大)

 

★関東と関西の違い

・武士が多かった関東では、切腹を連想される腹開きが忌避され、背開きが広まった。

・軽く焼いた後に蒸して開くのが一般的で、ふっくらとした食感が特徴。

 

・商人が多かった関西では、「腹を割って話す」ことが好まれ、腹開きが主流。

・時間をかけて焼くため、表面はパリッとしながら、とろりと染み出た脂を楽しめる。

 

★近年のウナギ

・全国のウナギ供給量6万3000トン。2000年の4割程度まで減少。

・輸入物の中心だったヨーロッパウナギは1990年代に乱獲が進み稚魚の漁獲が急減。

・2009年にワシントン条約の対象種となり、EUは現在、輸出を実質禁止。

・太平洋マリアナ諸島付近で産卵し、海流に乗って日本近海に来るニホンウナギも、稚魚のシラスウナギの漁獲が減少傾向。

・国際自然保護連合はヨーロッパウナギやニホンウナギを絶滅危惧種に指定。日本や中国に養殖制限。

 

・養殖ウナギの1㎏あたりの平均価格は3669円(2021)。2007年の2.5倍に上昇。

・全国消費者物価指数でもウナギのかば焼きは20年間で2.3倍。

 

★「完全養殖」

・水産研究・教育機構は10年、世界初の完全養殖に成功。国内の成功例は数カ所ある。

・量産化にはまだ遠いが、商業化に向けて研究が進められている。

・稚魚を成魚に養殖する技術は確立されている。

・孵化してから稚魚になるまでの段階が難しい。この段階は200~300日と他の養殖魚より長く、事故や病気のリスクが高くなる。

・専用の餌や水槽を用意し、餌やりは1日5回。水槽は毎日清掃で、手間も費用もかかる。

・孵化から稚魚までの期間を短くする交配の研究、成長を促す低価格な餌の開発を進める。

・稚魚1匹あたりの生産コスト27750円(16年度)→3026円(20年度)

・将来は天然のシラスウナギ同様、数百円程度にするのが目標。

 

★土用のウナギの代用品

・イオンリテールは2016年にナマズのかば焼きを販売。その後、サバ、サケ、イカなどのかば焼きを投入すると売上総額の5%(2016) →10%(2022) に増加。

・日清食品ホールディングスは、今年5月、植物由来の「プラントベースうなぎ」を開発。大豆たんぱくや植物油脂を使い、味や食感を近づけた。

今年5月の広島G7サミットで海外のメディアに振る舞われ、商品化を検討中。

 

 なかなか高くて口にすることがないウナギですが、死ぬまでに1度菊川のウナギを食べてみたいです。