今日も7月25日(火)の読売新聞にあった柳田邦男さん(ノンフィクション作家)と酒井邦嘉教授(東京大・言語脳科学)の対談からです。
テーマは「生成AIに対する『危機管理』とはー教育現場での活用の是非―」
★ノンバーバル(非言語)コミュニケーションの大切さ
◎柳田氏
・スマホもAIもコミュニケーションに用いられるのは、ほぼ文字だけ。せいぜい涙マークや笑顔マークといった記号が付くぐらい。それでは本当に気持ちや感情は伝わらない。
・例えば終末医療の現場。患者が最期の時を迎え、だんだん意識が薄れていく中では、言葉をかけることはもちろん、手を握ったり、頬をなでたり、そばに寄り添っていることの空気感が安心感を与える。
・AIの世界では、そうしたことがそぎ落とされ、人間の内面的な心の営みが壊れていくのではないか。
★教育現場の混乱
◎酒井教授
・生徒が文章を書いても、本当に自分で書いたのか、少しAIを使ったのか、全部AIが書いたのか不明。
・先生も「どうせAIを使ったんだろう」という目で見てしまえば、生徒の本当の実力が分からないし、評価もできない。
・生徒も、興味や関心があるものは自分でやるけれども、それ以外の宿題はAIに任せるようなことが現実に起きうる。
・「教育は効率でない」と言い続けている。効率だけを求めるなら、生成AIを活用すればいい。
・教育現場で譲れないのは、「対人間」であるべきだということ。
・同じ言葉でも、肉声で伝えることで言葉以上の情報が伝わる。それができるのは人間だけ。
・子どもたちの印象に残るのは、先生が本当に楽しそうに授業もそれ以外のことも伝えてくれる授業。
・人を教える、育てることができるのは人だけで、それを見失ったら教育ではなくなる。
・教育にAIが入り込む余地はない。
◎ 柳田氏
・教育現場では、教科書の内容を学ぶ以上に、先生からの人間的な影響や、人と人との触れ合いがとても大事。
・「あの先生はこう言ってくれた」「あの時にこう声をかけられ、支えてくれた」という記憶ばかり。
・AIを使って答えを導き、それが正解だという世界が支配的になってしまうと、先生という個性ある人間の存在が希薄になってしまう。
・AIに対しては、それに負けないだけの感性や考える力、創造力を育てる取り組みが、今まで以上に重要になってくる。
お2人のお考えはいかがでしたか?私はとても共感しました。AIに負けない心動かされる教育を心がけていきたいですね。
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