昨日の朝日新聞に「作文コンクール 生成AIは禁止」の記事がありました。
先月は、チャットGPTやデジタル化の影響を話題にしました。
No弐807(6月17日)で、新井紀子教授の話を紹介しました。
★チャットGPTをそのまま子どもに使わせたら
・作文を書いてもらう、調べ物の学習の答えを書かせる、楽なことをするに決まっている。
・そのせいで、時系列に物事を書く能力、つじつまが合うように何かをまとめる能力、本来、狙っていた教育効果が白紙になってしまう。
・作文コンクールで最優秀賞が決まった後にチャットGPTが作ったことが分かり、受賞取り消しが頻発に起こり得る。
・作文という文化が失われてしまう可能性だってある。
・チャットGPTなどの「生成AI(人工知能)」の使い方を巡って文科省が学校向けのガイドライン作りを進めるなか、夏休みに小中校生が取り組む作文の各種コンクールで、使用を禁止する動きが相次いでいる。
★各コンクールの対応
①「読書推せん文コンクール」(博報堂教育財団主催)の「応募要項
「自分以外の人やAIが作成したり考えたりした文章での応募はできません」との一文を書き加えた。
②高校生向け「作文コンクール」(神戸親和大)の実施要綱
「生成AIは使用しないでください」と明記。
・どちらも使用を確実に見抜く方策は用意できていない。
③「全国高校生2D・3D・イラストコンテスト」(トライデントコンピュータ専門学校)の応募要項
「AI生成の作品は不可」と明記。
・AIが作った画像は、例えば人間の手の描写になることがある。
・審査の際にはそうした特徴が表れていないかチェックする。
④「青少年読書感想文全国コンクール」(全国学校図書館協議会)の応募要項
「盗作や不適当な引用等があった場合、審査の対象外になることがあります」と加えた。
◎設楽敬一(同協議会理事長)の話
・チャットGPTで感想文を3回作成してみたが、いずれも平坦な文章で、賞を取れるような内容ではなかった。
・自ら書いた文章の推敲課程で、校正に生成AIを使うことまでは否定しない。
・これまでも保護者や教員が添削して作品を提出してきた例はあり、それと大きな差はないのでは。
★文科省の対応
・生成AIの使い方の指針を作成中で、素案段階では各種コンクールに関して
「生成AIによる生成物を自己の成果物として応募するのは不正行為」と言及。
・不適切な使い方をしないように十分指導することを学校に求める方針。
★田中博之教授(早稲田大大学院・教育工学)の話
・コンクールで生成AIの使用を見抜くのは簡単ではない。
・今後、見抜く技術が進化しても、生成AIもより自然な文章を作れるようになり「いたちごっこ」になる可能性がある。
・生成AIはいずれ無くてはならない技術になっていくだろう。
・将来は、単に使用を禁じるより、上手に使いこなす力を養う方向で考えるべきだ。
・例えば、各コンクールにAI使用を認める新部門を設ける。
・AIの回答をどう批判的に受け止め、新たなアイデアにつなげたのかを文章にまとめ、作品とともに提出させるのも一案だ。
いくら生成AI使用禁止を訴えても、なくならないでしょうし、逆に益々増えていくのではないでしょうか?生成AIに間違えられない個性や感性を磨いていきたいですね。
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