昨日は遅くに失礼しました。可愛い教え子9人と川崎で会ってました。未だお酒が飲めないのが残念です。
今日は、朝日新聞終末別冊版「be」に連載している飯間浩明さんの「私のB級言葉図鑑」からです。今回は、6月3日から24日の4回分です。
①「ビフカツ」 懐かしさと関西風味と(6月3日)
有楽町の居酒屋の看板に「名物ビフカツ」と書いてあったそうです。
・ビフカツはビーフカレーのこと。牛肉にパン粉などを付けてあげた料理。
・一般には「牛カツ」と言い、「ビフカツ」は昔風の響きがある。
・ビフカツということばは明治時代からあった。
・少年2人が洋食屋で<じゃあビフカツを2つ>と注文する場面がある。(植松美佐男「薄バカ大将」1912年)
・「ビフカツ」は関西風味も感じられる。関西では豚肉より牛肉が好まれる。
・「グーグルトレンド」では「ビフカツ」は兵庫県をはじめ、近畿地方でよく検索されている。特に神戸の名物。
②「驚変」 新しい表現強調に注目(6月10日)
ペッパーソースの店頭広告に<いつもの料理に ちょい足しで ちょい驚変!>と書いてあったそうです。
・「驚変」の「驚」は強調表現のひとつ。「驚」の新しい使い方。
・強調表現は強く印象づけることが大事。
・「すごく面白い」「超面白い」「めっちゃ面白い」など、新しい表現が次々に生まれてきた。
・1970年代に広まったのは「激」。写真家の篠山紀信さんの「激写」に始まり、「激白」「激安」「激辛」「激やせ」。
・「爆」も多い。戦前の「爆笑」のほか、80年代から「爆睡」「爆食」、最近では「爆買い」「爆売れ」の語も生まれた。
・「驚」はまださほど活躍していない。量販店の宣伝「驚安」が使われるぐらい。
③「福興」 ネーミングに祈りを込めて(6月17日)
東北新幹線の中で食べようと<東北福興弁当>を買ったそうです。
・おかずは東北6県の食材が使われ、味付けや見た目も凝っていて、2011年以来内容を変えながら販売している。
・「福興」は「復興」と掛けた。
・「福興」は宮城県南三陸町で、震災の年から「南三陸福興市」を開催し、2022年5月に100回で幕を閉じた。
・縁起を担ぐ「御手富貴」(お手拭き)は昔からある。言霊がこもっている。
・「福興弁当」の包み紙には、外国語訳も書かれている。英語訳は「Rising Tohoku bento」。
・「福興」を翻訳するのはなかなか難しそう。
④「バッチ」 ジか、チか、ヂかが問題だ(6月24日)
浅草で<おなまえバッチ>という看板を見かけたそうです。
・元の英語のBadgeに近い発音ならば「バッジ」のはず。
・さらにややこしいことに「バッヂ」という第3の形もある。「缶バッヂ」
・戦前は「バッヂ」が多かった。レトロな表記と言える。「ラヂオ」
・「ッ」の後ろに「ジ・ヂ」が来ると発音しにくいので、言いやすい「バッチ」が現れたと考えられる。
・戦前に一番よく使われたのは「徽章(きしょう)」だったが、戦後しばらくすると「バッジ」を使うことが最も多くなった。
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