一昨日の読売新聞に「女子大離れ 深刻」「私立69%定員割れ」の見出しが目に留まりました。
急速に進む少子化を背景に、私立女子大学の7割が昨年度、定員割れだったそうです。ご存知でしたか?
★全国の私立女子大学
・2022年度の全国の私立女子大は71校。
・22年5月時点で入学者数が定員を下回った女子大は49校(69%)
・「定員充足率」(定員に対する入学者の割合)
50%未満(3校)、50%以上80%未満(28校)、80%以上100%未満(18校)、100%以上(22校)。
・2022年度私立大全体で284校(47.5%)が定員割れ。女子大は21.5ポイント高い。
・恵泉女学園大、神戸海星女子学院大は24年度以降の学生募集停止。
・神戸親和女子大と鹿児島純心女子大は今年度から共学化。
★女子大の歴史
・戦前の高等教育は原則、男女別学。
・女子向けの高等教育機関「女子専門学校」が多くの女子大の源流。
・1948年に津田塾、東京女子、日本女子、聖心女子、神戸女学院の5校が新制大学として認可。
・60年代、女子中学・高校を持つ学校法人による女子大新設が各地で相次ぐ。
・当時の女子大には、教養や家庭で役立つ知識が期待され、学部の大半は人文系や家政系で占められた。
・86年、男女雇用機会均等法が施行され、女子のキャリア志向が強まる。
・94年、女子の4年制大学進学率は20%突破。(昨年は53.4%)
・キャリア志向の女子の受け皿となったのが多様な学部をそろえた共学の大規模伝統校。
・明治大学 女子学生比率17%(30年前)→34%、倍増。農学部の半数が女子。
・女子大は受験生の掘り起こしに動く。
★女子大の主な学改改組・新設例
・京都女子大 データサイエンス学部(23年度)、心理共生学部(24年度)
・日本女子大 国際文化学部(23年度)、建築デザイン学部(24年度)、食科学部(25年度)
・椙山女学園大(愛知) 情報社会学部、外国語学部(24年度)
・神戸女学院大 国際学部、心理学部(24年度)
・ノートルダム聖心女子大学(岡山) 国際文化学部、情報デザイン学部(24年度)
・安田女子大(広島) 理工学部(25年度)
・尚絅大(熊本) こども教育学部(23年度)
・フェリス女学院大 女性リーダー育成を目指す副専攻を開始(23年度)
★安田由則教授(武庫川女子大・教育社会学)
・少子化は一層深刻化しており、生き残りには女子の多様なニーズに応えられる学部構成やカリキュラムに変えていかなければならい。
・対応できない大学はある程度淘汰されていくのでは。
★私大の厳しい経営環境
・21年度の調査では569学校法人のうち、74法人が経営難。
12法人は4年以内に資金繰りがショートする可能性がある。
個人的にはぜひ女子大はあってほしいと思います。女子大だからこそできる質の高い研究ってあるはずです。「あそこの学生は違う」という大学教育を目座して欲しいです。
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