今日も、読売新聞の「情報偏食 ゆがむ認知」「第3部 揺れる教育現場」(5月29日~6月5日)の第4回に注目してみます。
第4回は、「市販薬の過剰摂取」を取り上げていました。
★オーバードーズ
・精神的な苦痛から逃れようと、市販薬を過剰摂取する行為。
・若者を中心に深刻化し、急性中毒や意識障害に陥ることもある危険な行為。
★高校生の薬物使用の実態調査(21年度、高校生約44000人対象、国立精神・神経医療研究センター)
・過去1年間に市販薬を乱用目的で使用したと答えたのは656人。
(約60人に1人、30人学級2クラスに1人)
・若者たちが過剰摂取などをSNS上で報告しあう要因の一つは、自分が価値ある存在として皆から認められたいと願う「承認欲求」がある。
・SNS上での「承認」を求めて、飲んだ薬の多さやつらさを競い合うような現象も起きている。
・現場では、問題行動のない「いい子」が、実は薬に依存していて驚くことがある。
・過剰摂取に走る理由は、学校内の友人関係、親子関係など様々だが、ネットの影響は大。
・経験者の投稿を見て知ったり、自分もネットに投稿するようになってエスカレート。
★SNSと若者に関する米医務総監の報告書のポイント
◎良い影響
・重要な情報へのアクセスを可能にし、自己表現の場になる。
・多様な仲間とつながることができる。
◎悪い影響
・自傷行為の投稿などを見続けるうちに「普通のこと」と思いこむ。
・自己肯定感の低下、体形への不満、摂食障害、不眠などにつながる。
・特に女子は影響を受けやすい。
・SNSには子どもや若者のメンタルヘルスに悪影響を及ぼす重大なリスクがある。
・10~19歳は脳が発達段階にあり、頻繁な利用は感情や衝動をつかさどる部分の脳の発達に影響を及ぼしうる。
・社会的な評価などを過剰に気にするようになる可能性がある。
・1日に3時間以上利用する子どもは、うつ病などの問題を抱えるリスクが倍増する。
★山口有紗医師の話
・居場所がないと感じる子どもは、「いいね」など分かりやすい形で承認が得られるSNSに依存的になることもある。
・思春期は他人との比較などに敏感で、SNSの影響を受けやすい。
・大人と子どもでSNSのメリットとデメリットを共有し、適切な利用方法を考えることが必要。
紹介されていたのは、1人は栃木県の大学3年の女子学生の高校時代。もう一人は神奈川県の中学3年の女子生徒でした。
共通しているのは、どちらも進学校に入学し、女子学生・生徒、そそてSNSに投稿していました。
小学校だって、高学年女子には心配な子はいるでしょう。日常問題行動のない子の中にSNSに依存し、心の健康を崩している子がいることを頭に入れて観察しておかなければなりませんね。
コメントをお書きください