今日も、読売新聞の「情報偏食 ゆがむ認知」「第3部 揺れる教育現場」(5月29日~6月5日)の第3回(6月1日)に注目してみます。
第3回は、「SNSでエスカレートするいじめ」を取り上げていました。
動画拡散や画像加工、中傷などでいじめが加速した例がいくつか紹介されていました。あまりにも生々しかったのでここでは詳しく紹介するのは控えます。
・パソコンやスマホを使った小中高校などでのいじめは近年、急増。
・2021年度は21900件に上り、統計を取り始めた06年度の約4.5倍に上っている。
★竹内和雄教授(兵庫県立大・生徒指導論)の話
・増加の背景に、コロナ禍で学校での対面や会話が減ったことに加え、ネット空間で同じような考えの人たちの意見が反響し合う「エコーチェンバー(反響室)」もある
◎エコーチェンバー現象
・閉ざされた部屋(チェンバー)で同じ意見がこだま(エコー)のように繰り返され、異なる意見が届きにくくなる。
・自分と似た意見や思想を持った人々が集まる場にて、自分の意見や思想が肯定されることで、それらが正解であるかのごとく勘違いする。
・価値観の似た者同士で交流・共感し合うことにより、特定の意見や思想が増幅する現象。
・子どもたちは大人に比べて交友関係が狭い。閉ざされたSNS上でやり取りするうちに自分たちの考えが正しいと思い込み、いじめがエスカレートしやすい。
・新しいアプリが次々に登場し、低年齢化が進んで手口も巧妙化しており大人が気づきにくくなっている。
★いじめが深刻化しやすいSNS
・「SNSいじめ」の大きな特徴は、いじめる側が罪悪感を感じにくい。
・SNSに限らず、いじめは「被害者への共感や同情」、「深刻度の認識」があれば起きにくいことが、心理学の実験で実証されている。
・SNSでは相手が苦しむ様子を目の前で見ないことが多い。
・「投稿者」「拡散者」など役割が多岐にわたり、一人ひとりの加担の度合いが小さくなりがち。
・相手の何げない発言をネガティブに捉えて敵対視する「敵意帰属バイアス」にも陥りがち。
・いじめる側の投稿の内容を深く考えず、習慣的に「いいね」ボタンを押す人もいる。
・いじめる側は自身の行為が周囲から「承認」されたと錯覚し、行為がエスカレートする。
・同じメンバーでいじめが繰り返されれば、同調圧力が高まり、行為をやめるような指摘をしづらくなる。
・いじめを認識しながら何も反応しない「傍観者」の存在も問題。
今日もこの記事をまとめていると、先日観てきた映画「怪物」のシーンが蘇ってきました。
「人は誰でも自分の中に1匹の『怪物』を飼っている」としたら、どうこの「怪物」と対峙していったらいいだろう?今日もいじめに対して悶々としてます。
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