「チャットGPT」という言葉を目にする、耳にする機会が増えてきことを実感します。
No弐-761・762(4月27日・28日)で読売新聞にあった「基礎からわかるチャットGPT」(4月21日)を取り上げました。
今日は、5月29日(月)の朝日新聞の記事からです。「チャットGPT 子どもに使わせるべき?」の問いに回答した新井紀子さんのお考えに注目してみたいと思います。
◎新井紀子さんのプロフィール
・国立情報研究所教授。数理論理学が専門。
・2011年から「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトを主導。
・2016年から読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の研究開発を主導。
・著書に「AI VS 教科書が読めない子どもたち」など。
★AIの文章
・AIは、文章の最初の何語かを与え、次がどうなるかを当てさせる、ということを繰り返しながら文章を学んでいる。
・意味を考えているわけではなく、正答率100%を目指しているわけでもない。
・いかに人間らしく文章を生成させるかが大事。
・正しい知識がない子どもが使うと、その答えをうのみにする可能性がある。
★子どもにチャットGPTを使わせるべきでないのか?
・一概にそうとも言い切れない。
・今後、答えを聞いても正解を言わず、本人を励まし続けるような教育ソリューションを開発することも可能。
・私に10代の子どもがいたら、使わせない。
・子どもにチャットGPTを使わせることは、ユーチューブを使わせるのと同じ感覚。
・ユーチューブでスタンフォード大学の最先端授業を見て勉強する子もいれば、他の子がゲームする姿を見ているだけの子もいる。
・ユーチューブは可能性があるけど、多くの人にとって可能性を奪う道具。
・自分の子どもが使ってどちらの道に行くのか、賭けをしますかということ。
★幼児期の教育
・幼児の頃は「サル」として育てるのが正しい。
・自分で暑さを感じる、こうすると転ぶ、昆虫が動く様子をずっとみて「動く」ことの統一的な原理を認識する、こういうことを無言のままに学ぶ時期がある。
・その時期が十分にないと、その後の発達が難しくなるように人間はできている。
★チャットGPTをそのまま子どもに使わせたら
・作文を書いてもらう、調べ物の学習の答えを書かせる、楽なことをするに決まっている。
・そのせいで、時系列に物事を書く能力、つじつまが合うように何かをまとめる能力、本来、狙っていた教育効果が白紙になってしまう。
・作文コンクールで最優秀賞が決まった後にチャットGPTが作ったことが分かり、受賞取り消しが頻発に起こり得る。
・作文という文化が失われてしまう可能性だってある。
ヒヤッとしませんか?読書感想文コンクールは今後も続くんでしょうか?
反対に自分が一所懸命書いた文章も疑われてしまったりすることも起こるんでしょうね。
明日につづく
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