今日も6日(火)の朝日新聞「子どもとスポーツ」のから、「プロでも生きる 幼い頃の学び」のもう一つの話です。
2019年夏、全英女子オープンを制した渋野日向子さんのキャディーを務めたコーチの青木翔さん(40)の話に注目してみようと思います。
・青木さんのモットーは、「正解は教えない。スイングも、ほぼ教えない」
★渋野日向子さんのコーチ
・渋野さんがプロテストに落ちた17年、頼まれてコーチに就いた。
・最初は基本的なクラブと体の使い方しか教えなかった。
・実質的1年目の19年も、大きく修正しなかった。
・ある大会の優勝争いで敗れた渋野さんが「5mのパットを入れられるようにしたい」と懇願してきた。
・「言われたことはすぐに忘れる。失敗して経験した方が心に残る。自分で考えて、気づくことが大事」
・一緒にパットを磨き、その夏の全英女子オープンで実を結ぶ。
・20年シーズンを終えて青木さんから離れた後、22年オフに再び指導。
★子ども向けスクールでの経験
・12年前、兵庫県で続ける子ども向けのスクールで、クラブの握り方、振り方、構え方、あらゆり技術を一生懸命教えたが、子どもたちは伸びない。
・ならば、気になった事は全て指摘し、怒鳴り、もっと厳しく教えたが、結果は出なかった。
・指導を始めて5、6年が経ったある日。教えたいのをグッと我慢して、遠くから見守ってみると、子どもたちが楽しそうにクラブを振り始めた。
・やがて、質問してきた。自分で考えて、自分なりの答えを見つけてきた。
・「すぐ教えてしまうのを我慢することで、自分で課題を見つけ、解決する力が身につく」と気づいた。
・以来、手取り足取り教えなくなった。
・まず、好きなように打たせる。ゴルフの楽しさを体感してもらう。
★指導法の確立
・選手に考えさせる指導を始めた頃、ロッテの吉井監督の著書「最高のコーチは、教えない。」に出会う。
・「吉井さんも、教えていなかった。気づかせ、考えさせる指導は間違っていない」と確信。
・どんなボールを打ちたいのか。なぜ、狙い通りに打てなかったのか。
本人に問いかけ、ヒントを与えながら、一緒に答えを探す。
・教えた子は1千人に近い。
・大きく羽ばたいたのは、渋野さんだけでなく、昨年日本オープンを制した蝉川泰果選手、21年オーガスタ女子アマチュアで日本勢初優勝した梶谷翼選手。
・最も印象に残るのは、大きく羽ばたいた選手のことではなく、プロをあきらめ、新しい将来の夢を描き、大学の学部を決めた男子高校生。
・青木さんのもう一つのモットーは、「自分のゴルフは自分で築き上げる。自分の道は、自分で導き出す」
いかがでしたか?ハッとしませんか?教えない指導、気づかせ、考えさせる指導って大切ですね。
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