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No弐-804 ゴルフのコーチから学ぶ

 今日も6日(火)の朝日新聞「子どもとスポーツ」のから、「プロでも生きる 幼い頃の学び」のもう一つの話です。

 2019年夏、全英女子オープンを制した渋野日向子さんのキャディーを務めたコーチの青木翔さん(40)の話に注目してみようと思います。

 

・青木さんのモットーは、「正解は教えない。スイングも、ほぼ教えない」

★渋野日向子さんのコーチ

・渋野さんがプロテストに落ちた17年、頼まれてコーチに就いた。

・最初は基本的なクラブと体の使い方しか教えなかった。

・実質的1年目の19年も、大きく修正しなかった。

・ある大会の優勝争いで敗れた渋野さんが「5mのパットを入れられるようにしたい」と懇願してきた。

・「言われたことはすぐに忘れる。失敗して経験した方が心に残る。自分で考えて、気づくことが大事」

・一緒にパットを磨き、その夏の全英女子オープンで実を結ぶ。

・20年シーズンを終えて青木さんから離れた後、22年オフに再び指導。

 

★子ども向けスクールでの経験

・12年前、兵庫県で続ける子ども向けのスクールで、クラブの握り方、振り方、構え方、あらゆり技術を一生懸命教えたが、子どもたちは伸びない。

・ならば、気になった事は全て指摘し、怒鳴り、もっと厳しく教えたが、結果は出なかった。

 

・指導を始めて5、6年が経ったある日。教えたいのをグッと我慢して、遠くから見守ってみると、子どもたちが楽しそうにクラブを振り始めた。

・やがて、質問してきた。自分で考えて、自分なりの答えを見つけてきた。

・「すぐ教えてしまうのを我慢することで、自分で課題を見つけ、解決する力が身につく」と気づいた。

・以来、手取り足取り教えなくなった。

・まず、好きなように打たせる。ゴルフの楽しさを体感してもらう。

 

★指導法の確立

・選手に考えさせる指導を始めた頃、ロッテの吉井監督の著書「最高のコーチは、教えない。」に出会う。

・「吉井さんも、教えていなかった。気づかせ、考えさせる指導は間違っていない」と確信。

 

・どんなボールを打ちたいのか。なぜ、狙い通りに打てなかったのか。

 本人に問いかけ、ヒントを与えながら、一緒に答えを探す。

 

・教えた子は1千人に近い。

・大きく羽ばたいたのは、渋野さんだけでなく、昨年日本オープンを制した蝉川泰果選手、21年オーガスタ女子アマチュアで日本勢初優勝した梶谷翼選手。

・最も印象に残るのは、大きく羽ばたいた選手のことではなく、プロをあきらめ、新しい将来の夢を描き、大学の学部を決めた男子高校生。

・青木さんのもう一つのモットーは、「自分のゴルフは自分で築き上げる。自分の道は、自分で導き出す」

 

 いかがでしたか?ハッとしませんか?教えない指導、気づかせ、考えさせる指導って大切ですね。