今日も藤井聡太新名人七冠達成の各紙の記事に注目してみたいと思います。
まず、恒例の各紙の見出しからです。
★見出し
・「藤井 無限の進化」「終盤一気 夢の名人」「読みの力 別格」(読売)
・「藤井名人 泰然20歳」「『ふさわしい将棋を』続く探究」「実力・人気・向上心が裏付け」「AI時代の新名人」「棋力に変換 アナログ力と融合」(朝日)
・「若き王者 進化続け」「棋会レジェンドと肩並べる」(神奈川)
・「藤井七冠、全八冠制覇に王手 『目指せること自体光栄』」(日経)
★エピソード
・近所の高齢者施設で将棋の相手をしてもらい、「毎日将棋が指せるから、早くおじいちゃんになりたい」
・子供将棋教室に入会時(5歳)に渡された約480ページもの教本を約1年で暗記した。
・「しょうぎのめいじんになりたい」―。6歳の夏、幼稚園の誕生日会のカードに記した。
・小学4年生のときに作成した自己紹介カードに「名人をこす」と書いた。
・本局では、序盤早々での角交換を拒否。あえて今シリーズ唯一の黒星を喫した第3局と同じ戦型を選んだ。
・起床後に決めた揮毫(きごう)は「温故知新」だった。「名人という歴史ある立場に立って、昔の棋士の将棋を並べる(研究する)機会を少しずつ増やしていけたら」
★声
・「あれだけの実績を重ねながら、藤井さんは棋界において1番か2番の努力をしている。才能と向き合い、磨いている藤井さんを私は尊敬しているんです」(永瀬拓矢王座)
・「時代における最強格の棋士になる才能を持ちながら研究者の顔を持つ人が絶え間ない訓練を積むから強いんです」(佐藤天彦元名人)
・「どんなに悔しく、辛い結果でも決して将棋から逃げない。最後は気持ちが戻ってくる」「負ける度、その倍で成長する感すらある」「あれだけ直感が鋭いのに、正解は分かっているだろうに、対局では更なる最善手を求めて時間を使う」(師匠・杉本昌隆八段)
・「藤井さんはAIで強くなったわけではない。実戦の未知の局面、答えの出ない難解な局面で、自分の力だけで考え抜いたその積み重ねで圧倒的な実力を付けたのである」「こうすれば勝てるという対策が見つからない棋士」(谷川浩司17世名人)
最後に昨日の朝日新聞の「社説」にこんなことが書いてありました。
★「藤井新名人 棋士たちの沈黙に学ぶ」
・ひとつの局面で平均約80通りの可能性があると言われる将棋において、次の一手を選ぶための長考はときに数時間に及ぶ。
・結果を誰のせいにもできない。棋士たちはそんな営みを日々繰り返している。
・一般の日常生活では縁のない、現代社会において異形の行いだ。
・新名人本人も、過去にこう発言した。「将棋は一人で考えて指す孤独な闘いですけれども、それを例えば合議制でやったら強くなるかというと、たぶんそういうことはないんです。一人で考え抜いたからこそできることも、やはり多いと感じます」
・SNS上では反射的に発せられる言葉が四六時中飛び交い、動画は早送り再生され、生成AIが考え事まで大幅に代行してくれる時代である。
・「最善の一手」を求めてひとり黙して考え続けてきた棋士たちに、学ぶべきことがあるのではないか。
・コロナ禍で人に会うことが減り、なにげない雑談や議論の大切さに注目が集まった。
・しかし、一方で、最後は自分で考えて決めるという自覚を手放さないこともまた重要であろう。
・ひとりでじっくりと考える時間を持ち、相手が考える時間も受け入れる。
・活気ある日々を取り戻しつつある今、沈黙の意義にあらためて思いをはせてみたい。
「沈黙の意義」「思いをはせる」って言葉が響きました。
明日の授業でも、正解を焦らず、ひとりでじっくり考える時間を大切にしていきましょう。
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