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No弐-790  学びや生活、意識の変化 

  今日も、東京大学とベネッセ教育総合研究所の「子どもの生活と学びに関する親子調査」からです。この調査は、「1 学校の変化」、「2 学びの変化」「3生活の変化」「4 意識の変化」の4つに注目しています。残りの項目を見ていきましょう。

 

★将来の希望・なりたい職業(学びの変化) 

・将来「大学まで」進学を希望する小中学生は 2021 年から増加傾向に対し、「まだ決めていない」小中学生は減少傾向。

・将来なりたい職業が「ある」子どもは、小4~6生は64.2%、中学生は51.3%。高校生は54.8%となり、2019 年を上回っている。

・成績層別では、いずれの成績層も将来なりたい職業が「ある」と回答した割合は増加。

・小学生は上位層(71.0%)中位層(63.9%)、下位層(58.5%)で、差が12.5ポイントあり、中学生(4.5ポイント)、高校生(2.3ポイント)より高い。

 

★親子のかかわり(生活の変化) 

・2021 年に比べ保護者の子どもへのかかわりが全般的に増えている。

・「結果が悪くても努力したことを認める」はどの学校段階も一番多い。

・小1~3生の「学習の宿題を手伝う」は48.1%(2020)→62.3%(2022) 14.2ポイント増。

・「勉強の意義や大切さを伝える」「勉強の面白さを教える」「いい(高校や)大学を卒業することは大切だと言う」はどの学校段階でも増加。

 

★親子の会話(生活の変化) 

・2021年~2022 年では、全般的に親子の会話が増えている。

・どの学校段階でも「友だちのこと」に関する話が多い。

・父親との会話では、小1~3生では「友だちのこと」(79.1%)、小4~6生では「勉強や成績のこと」(61.9%)、中学生は「社会のニュース」(52.9%)、高校生は「将来や進路のこと」(51.3%)が一番多い。

・父親に比べ、母親との会話は以前より多い傾向。

 

★子どもの生活時間(生活の変化) 

・学校外の勉強時間は、小1~3生は51分→48分、小4~6生は87分→78分、中学生は107分→103分、高校生は117分→112分に減少。

・中学生の「携帯電話やスマホ」の使用時間は 66分→86分、20分増加。

・「テレビやDVDを見る」小4~6生は89分→73分、中学生は78分→59分、高校生は59分→42分で減少。

・「友だちと遊ぶ・すごす」「家族とすごす」時間はどの学校段階でも減少。

 

★子どもの経験・保護者自身の活動(生活の変化) 

・「疑問に思ったことを自分で深く調べる」は小1~3生は25.5%→32.9%、小4~6生は23.8%→31.4%、中学生は22.1%→30.7%、高校生は24.0%→31.2%で増加。

・「親から仕事の楽しさや大変さを聞く」は、小4~6生は46.0%→51.9%、中学生は35.1%→44.1%、高校生は33.0 %→41.0%で増加。

・保護者自身の活動では、「政治経済のニュースを新聞やネットで読む」は減少。「環境問題に関心をもつ」「自分の能力を高めるための勉強をする」は 増加。

 

★教育費・子どもの教育への意識(生活の変化) 

・子ども 1 人1か月の平均教育費は、2020年~2021年増加したが、2022 年にかけて再び減少傾向。

・「できるだけいい大学に入れるように成績を上げてほしい」と考える保護者が増加。

昨年と比べると小1~3生は54.2%→62.7%、小4~6生は58.4%→66.0%、中学生は62.3%→69.9%、高校生は60.6%→67.4%で増加。

・「子どもが大人になったとき自立できるか不安である」と感じる保護者も増加。

昨年と比べると小1~3生は50.8%→58.7%、小4~6生は52.4%→61.7%、中学生は51.9%→60.7%、高校生は53.1%→57.5%で増加。

 

★社会観(意識の変化) 

・「社会の変化によって『就職で求められる人材』は大きく変わる」と考える保護者が増加。小1~3生では30.3%→50.9%、小4~6生は25.9%→47.0%、中学生は25.3%→45.3%、高校生は21.5%→42.0%で増加。

・「『学歴』は今以上に重視される」と考える保護者は 2021 年に比べて減少。

・どの学校段階でも「『経済的な格差』は努力しても乗り越えにくい」と考える保護者は 2019 年~ 2021 年にかけて増えたが、2022 年では減少。

 

 いかがでしたか?意外だったことはありましたか?

 私は、「疑問に思ったことを自分で深く調べる」や「親から仕事の楽しさや大変さを聞く」はこれからも増え続けていってほしいと思いました。