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No弐-788  勉強方法&ICT機器を使った学習の効果と影響 

 5月3日(水)読売新聞「学ぶ 育む」にあった「上手な勉強法『?』7割」の見出しが目に留まりました。

 この調査結果は、東京大学とベネッセ教育総合研究所の「子どもの生活と学びに関する親子調査」で分かりました。

 

☆子どもの生活と学び」研究プロジェクト

・2015年から毎年、全国の小学1年~高校3年の同一の児童生徒とその保護者計21000組を対生起して調べている。

・今回の調査時期 2022年7~9月

 

★勉強方法

◎「上手な勉強のしかたが分からない」

・小4~高3 57.2%(2019)→67.5%(2022) 10.3ポイント増。

・小4~小6 42.6%(2019)→61.1%(2022) 18.5ポイント増。

・中学生 68.1%(2022)、高校生 73.2%(2022) 

 

・「上手な勉強のしかた」は21年に「分からない」と回答し、「わかる」に変わった子どもは、各教科の成績の偏差値が平均1.8ポイント上昇。35%が学習意欲も向上。

・「上手な勉強のしかた」は21年に「分かる」と回答し、「わからない」に転じた子どもは、各教科の成績の偏差値が平均1.2ポイント下降。44.3%が学習意欲も低下。

・学習方法が分かるようになると、学習意欲や成績が連動して高まっていた。

・学習時間の長さは、成績との相関関係が弱かった。

・学習方法を理解している子どもは、間違えた問題をやり直したり、友達と教え合ったりするなど、勉強方法を工夫していた。

・特に小4~6では、 2019 年に比べ「問題を解いた後、ほかの解き方がないかを考える」「何から勉強したらよいか順番を考える」の減少幅が大きかった。

 

★ICT機器を使った学習の効果と影響 

◎「深く考えて問題を解くことが減った」

・小4~小6 37.9%(2021)→42.5%(2022) 4.6ポイント増

・中学生 45.5%(2022)  高校生 44.6%(2022)  

◎「学習した内容が身につきにくい」

・小4~小6 29.8%(2021)→36.2%(2022)  6.4ポイント増

・中学生 42.2%(2022)  高校生 43.5%(2022)  

 

・保護者

◎「学習内容の理解不足にならないかが心配」

・小4~小6 54.7%(2021)→68.0%(2022)  13.3ポイント増

・中学生 68.9%(2022)  高校生 62.1%(2022)  

◎「うまく使える子と使えない子で学力の格差が広がる」

・小4~小6 73.2%(2021)→81.5%(2022)  8.3ポイント増

・中学生 82.3%(2022)  高校生 81.8%(2022)  

◎「深く思考しなくなるようで心配だ」

・小4~小6 58.7%(2021)→69.5%(2022)  10.8ポイント増

・中学生 68.6%(2022)  高校生 62.6%(2022)  

 

 さらにデータを調べてみると、小4~小6の「勉強しようという気持ちがわかない」が、33.7%(2019)→53.7%(2022)20 6.4ポイント増の方が気になります。

  勉強方法を知ることは大切ですが、学ぶ楽しさをもっと体感させることではないでしょうか?学びたくなれば、自ずと方法を見つけると思います。

 ICT機器に関しては、「子どもの学習意欲が高まる」と感じている小4~6の保護者は、72.1%(2021)→73.8%(2022)と増えているのに対し、「学習する気持ちが高まる」と感じている小4~6は、71.5%(2021)→64.2%(2022)と7.3ポイント減少しています。

 この差、この実態を知って、原因と対策を考えていきたいですよね。