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No弐-787  卒業アルバムのデジタル化

 先週5月18日(木)読売新聞の「ニュースの門」は「卒業アルバム」についてでした。

★卒業アルバムの歴史

・明治後期に旧帝大などで卒業記念写真が広まる。

・卒業試験に受かった学生らが、個々に撮った記念写真を厚紙でとじたものが流行。

・1892(明治25)年、慶應大では、福沢諭吉ら恩師の写真を、卒業生の顔写真などで取り囲んで配置した記念パネル作りが始まる。

・学生個人の記念写真にパネルが加わり、アルバム制作に学校がかかわる流れができる。

 

・大正時代に入ると大学以外の旧制中高校にも広まる。

・教員と生徒の集合写真や運動会など学校行事の写真も登場し、現代のアルバムにより近い「卒業記念帖」が作成された。

 

・戦後は、児童の個性を尊重する風潮が強まり、小学校などで一人一人の夢が書かれた文章も収録されるようになった。

 

★他国の卒業アルバム

・米国では卒業生に限ったアルバムはなく、在校生全体を対象にした「イヤーブック」という冊子が年1回配布される。

・近年、日本のアルバム製作会社が台湾、ベトナム、インドネシアに進出。現地の日本人学校で日本式アルバムの採用増。

 

★コロナ禍でも必要とされている卒業アルバム

◎インターネット・アンケート調査(2023年1月、高校生、保護者各200人、ダイコロ)

「卒業アルバムは必要」 高校生(94.5%)、保護者(92%)

 

★動く卒業アルバム

・葛飾区のH小学校では、2年前に導入。

・運動会の写真は、専用アプリを起動させたスマホをかざすと、音楽とともに児童が組み体操に挑戦する動画が流れ出す。

・写真と動画を結びつけるのは、現実世界に情報を加えて表示するAR(拡張現実)という技術。

・感染対策で運動会など学校行事を直接見られなかった保護者らにも好評。

 

★マイアルバム

・「ダイコロ」(卒業アルバム製作大手)は今春から、卒業生が自分だけのマイアルバムが作れるデジタル版サービスを開始。今年13校導入。

・スマホなどで閲覧できるデジタル版アルバムに、写真や動画を差し替えて自由に作り替え可能。卒業後の同窓会の写真の追加も可。

 

★AIで平等掲載

・ 掲載写真の偏りは、クレームや不満の対象になりやすい。

・コロナ禍でマスク姿の児童・生徒の写真が増え、手作業での選別はますます困難。

・AIに写真を選ばせるサービスを使うと、登場回数だけではなく、写真の大きさや立ち位置まで考慮してなるべく平等になるように選び出す。

・AIはマスク姿の写真でも、ちゃんと個人を判別できる。

・「エグゼック」(IT企業)は3年前にこのサービスを開始。利用した幼小中高1000件超。

 

 いかがでしたか?AIで平等掲載をチェックできれば、先生方の負担はかなり軽くなりますよね。卒業アルバムのデジタル化はさらに増えていきそうですね。