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No弐-784  ナマハゲ

 今週は10年ぶりに東北を回ってきました。新幹線で仙台まで生き、レンタカーを使って、前回行かなかったところを中心に訪ねてみました。

 宮城県は松島瑞巌寺、鳴子温泉、山形県は銀山温泉、秋田県は秋の宮温泉、ポートタワー・セリオン、男鹿半島・なまはげ館、青森県は弘前城、大鰐温泉です。

 1000kmの旅でしたが、一番印象に残ったのが、「なまはげ」でした。 

 

 「なまはげ館」は、男鹿市内の各地区で実際に使われた150枚を越えるナマハゲ面が展示されていました。

 隣接する「男鹿真山伝承館」では、大晦日の夜に実際に行われているナマハゲ行事を体感してきました。

「男鹿のナマハゲ」は昭和53年に国の重要無形民俗文化財に指定され、毎年、大晦日の晩に男鹿半島のほぼ全域で行われているそうです。

 「なまはげ」なの?「ナマハゲ」なの?という疑問が頭に浮かんだのですが、重要無形民俗文化財の指定では「男鹿のナマハゲ」とカタカナで表記しています。

 ひらがな表記もたくさんみられますが、ここでは、ナマハゲの方を使いたいと思います。

 

★ナマハゲ

・ナマハゲは鬼ではなく、怠惰や不和などの悪事を諌め、災いを祓いにやってくる来訪神。

・「泣ぐ子(ゴ)は居ねがー」「悪い子(ゴ)は居ねがー」と奇声を発しながら練り歩き、家に入って怠け者や子供、初嫁を探して暴れる。

・家人は正装をして丁重にこれを出迎え、主人が今年1年の家族のしでかした日常の悪事を釈明するなどした後に酒などをふるまって、送り帰すとされている。

 

そこで早速クイズを作ってみました。

Q1. ナマハゲの語源は「〇〇〇を剥ぐ」という言葉がなまったものですが、〇に入る言葉は何でしょう? ①ナマリ ②ナマミ ③ナモミ

 

Q2. ナマハゲの多くが手に持っているものは何でしょう? ①包丁 ②斧 ③鎌

 

Q3. ナマハゲは藁(わら)でできた蓑(みの)状の衣装をまとっていますが、何というでしょう? ①ゲチ ②ゲテ ③ゲト

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Q4.  様々な色や顔のナマハゲの面があるが、ジジ(爺さん)ナマハゲの特徴でないのはどれでしょう? ①赤いお面 ②角ばっている ③青いお面

 

Q1. ナマハゲの語源は、③ナモミを剥ぐ」という言葉がなまったもの。

・ナモミとは、炉端にかじりついていると手足にできる赤いかさぶたのような低温火傷の火型(ひがた)・火斑(ひだこ)のこと。

・ナモミを剥ぎ取り、怠け者を戒めるための「ナモミ剥ぎ」が訛って「なまはげ」になった。

 

Q2. ナマハゲの多くが手に持っているものは、①包丁。

①ナモミを剥ぎ落とすための出刃包丁。なまはげ必須のアイテム。

②剥ぎ落としたナモミを入れる桶。

③神の印である御幣(ごへい)。棒の先に白い紙をいくつもつけたお祓いの棒。神社の宮司が使うアイテム。

 

Q3.  ナマハゲの衣装は、②ゲテという。

・ゲテから落ちた藁には神様がやどっていて、縁起物としてお守りになる。

・ナマハゲから無理に抜いたワラにはご利益がないため、自然に落ちたものを拾う。

・落としたゲテの藁は、掃除をせずそのままにしておく。

・落ちた藁や病気の患部に巻き付けると、疾病平癒や無病息災を祈願できるという言い伝えがある。

 

Q4.  ジジナマハゲの特徴でないのは、③角がある。

・面は、本来は丹色(赤)に塗ったが主で、木の皮や木製だった

・赤いナマハゲ(ジジナマハゲ)、青いナマハゲ(ババナマハゲ)

・青と赤のペアで行動するものは「夫婦ナマハゲ」と呼ばれている。

・角張った面(ジジナマハゲ)、丸みを帯びた面(ババナマハゲ)

・他には緑、金、銀の顔、竹ザルやブリキ、杉の皮、ボール紙、プラスチックでできた面、木彫りの面など集落ごとに色々なお面がある。

 

 少子高齢化で、どの地域も担い手不足で苦労しているそうです。

 かつてのナマハゲ役は地域に住む独身の若者だけに限られていましたが、現在は既婚者が担うことは当たり前になっています。

 またナマハゲ役を地元以外の方や外国人に解放している地域もあります。

 かつては家に上がり込むのがあたり前でしたが、最近は玄関先だけで、上がり込むのは少なくなった地域もあるそうです。

 「児童虐待」の声もある中、今後どんな形で伝承していくのでしょうね?