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No弐-775 教員不足と改善に取り組む現場の実態

  今日も先週の読売新聞「疲弊する教員」(3回連載)の「中・下」の記事からです。

 

②「担任求め400人に電話」「なり手不足『待機組』争奪戦」(5月6日)

★都内の公立小学校男性副校長(47)の例

・新学期は始まってまもない4月中旬、職員室でパソコンの画面上のリストを見ながら電話をかけていた。

・始業式の直後、体調不良で休職した学級担任の代わりを探していた。

・「うちにきてくれませんか」。相手は、採用試験で不合格となった「待機組」と呼ばれる教員免許を持つ人や結婚、出産で退職した元教員たち。

 

・もともと4月から女性教員2人の育休取得が決まっていた。

・昨年11月以降、待機組を中心に電話をかけ続けた。

・多くは他に仕事を持っているので、つながるのは夜。

・遅くまで残り、土日出勤して400人以上に連絡。

・今年3月まで面接にこぎつけたのは4人だけ。

・「自宅に近い学校から誘いを受けた」「受け持ちたい学年とは違う」などの理由で最終的に断られる。

・結局、代わりの教員は見つからず、任期を終えて学校を離れることになっていた非正規の2人に1年の延長を頼み込む。

・安堵した直後に今度は担任が休職し、再び教員探しに追われる。

・しばらくは自分の業務を複数の教員に肩代わりしてもらい、自身が担任を兼務。

 

★都内のある小学校の例

・昨年度、担任が4人代わったクラスがあった。

・最初の教員が体調不良で休職し、担任は専科教員、副校長、休職から復帰の別の教員に。

 

 

③「待遇改善 現場が一歩」「『支援員』公募・会議減・国への要望」(5月8日)

★東京学芸大の学生向け動画公開例

・2022年3月卒業生の教員就職率は63.3%。(10年前より10.1ポイント下がる)

・今年1月、学生向けの動画を公開。「今の学生は現実的で、教員の『やりがい』だけでは響かない。具体的な待遇面でのアピールが必要」の声がきっかけ。

「東京都の校長の年収は1100万~1200万円。教員の退職金は大企業並みの水準」

「ICTや部活の外部コーチを活用し、残業は減ってきた」

 

★「職員室業務アシスタント」の例

・横浜市教育員会は19年度から、市立の全約500小中学校に置く。

・公募などに応じた保護者や元教員がその役割を担う。

・2人が交代で平日の午前9時から午後4時45分まで職員室に詰める。

・保護者からの欠席連絡など日に20~30本の電話を受ける。

・教員に代わって、プリントの印刷や仕分けなどを受け持つ。

 

★長野県公立中学校の女性教員(57)の例

・ベテランの一人として管理職と相談しながら、業務負担の軽減を測る。

・毎日のように開いていた大小の会議を減らし、毎週の職員会議を隔週に。

・業務を見直し、負担が集中しがちな担任は少なくする。

・定時で退勤する教員は増えた。

・「子どもたちのために延々と働くのを良しとしてきた我々の世代が動けば、学校はもっと変わる」

 

 先日「不登校生徒の対応をしてくれる、教員免許を持っている方を探しています。こころあたりありませんか」というメールが届きました。教員免許なんていってるから見つからないように思います。

 教員人気が回復するのは何年後なんでしょう?

「職場満足度アンケート」でもとって、改善点を一つずつクリアしていったらどうでしょう?