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No弐-773 知らなかった変わる社会科の教科書2

 クリスチャン・ディオール展観てきました。デザイナーになりたくなりました。展示方法が素晴らしかったです。

 今日も5月6日(土)日本経済新聞別冊「プラス1」にあった「何でもランキング」の「社会の教科書ここが変わった」からです。第6位から見ていきましょう。

 

第6位 日本最古の貨幣は「富本銭(ふほんせん)」

・長く最古の日本製の貨幣といわれてきたのは、和銅元年(708年)に造られた「和同開珎」(「わどうかいほう」とも)。

・約30年前の学校図書の教科書には「わが国最古の貨幣である。遠く海外へも運ばれた」とあった。

・1998年の飛鳥池遺跡の発掘調査で富本銭の失敗作や鋳型が出土したことで、それまで分からなかった鋳造時期が判明した。

・現在の東京書籍の教科書は「天武天皇の時代に、中国にならって『富本銭』という、日本で最初の銅銭が造られました。しかし、どのくらい流通したかは分かっていません」とする。

 

第7位 3世紀後半~7世紀の中央政府は「ヤマト政権」などの表記が主流

・約30年前の東京書籍の教科書は「大和(奈良県)を中心とする地域にできた強力な国を大和国家。その政府を『大和朝廷』と呼んでいる」と書く。

・現行は教科書会社によってヤマト政権、ヤマト王権、大和政権などと分かれる。

・帝国書院は注釈で「朝廷とは政治を行う機関であり、当時は整った組織はまだなかったので王権と表記しています」とする。

・和語としてのヤマトに大和の表記をあてるようになるのは8世紀。

 

第8位 リアス式海岸がリアス海岸に

・リアスとはスペイン北西部ガリシア地方にあるリアスバハス海岸が語源とされる。

・スペイン語で「入り江」「溺れ谷」を意味する「ria」が連続しているための複数形。

・リアスの語そのものに海岸形状が表されているから「式」を入れる必要はなくなった。

・2000年代後半から式の表記がなくなってきた。

・秋吉台のような石灰岩の地形「カルスト」も地名由来だが「カルスト式」の表記は見たことがない。

・1990年頃まで教科書に縄文式、弥生式と載っていた土器は、今は縄文土器、弥生土器が一般的。

 

第9位 聖徳太子は厩戸皇子の名も併記するように

・現行では聖徳太子(厩戸皇子、厩戸王とも)と名前を並列して書く。

・山川出版社では「『聖徳太子』は死後に用いられるようになった呼称であり、例えば『日本書紀』では『厩戸皇子』の名で記されている」。

・教育出版では「仏教を広めるなどした聖人として聖徳太子とよばれ、信仰や伝承の対象になった」とある。

・紙幣の聖徳太子の絵は宮内庁蔵の「唐本御影」をもとにしているが、この絵と聖徳太子を関連付ける資料がなく、描かれたのは早くとも8世紀(奈良時代)と考えられるため、太子像であるか否かは確定できない。

・教科書に載る時に絵の説明は「聖徳太子と伝えられる」という書き方になっている。

 

第10位 太平洋戦争の始まりは「マレー半島への上陸とハワイの真珠湾奇襲」

・現在の山川出版社の教科書は「日本軍はハワイの真珠湾を奇襲攻撃し、また同時にイギリス領マレー半島に上陸して太平洋戦争が始まった」と書く。

・マレー半島のことを書くことで戦争開始は日本軍が東南アジアの資源を奪うことも目的だったことが分かる。

・現行教科書のほとんどが、当時のマレー半島はイギリス領だったことを明記している。

 

★地理ではこんな変化も

・「面積が最少の都道府県」 大阪府→香川県

関西国際空港の建設の埋め立てなどで大阪府は面積が増えた。

・「消えた四大工業地帯」 →北九州は工業地域に

 北九州が占める工業出荷額の割合が小さいため

・「地図記号」 くわ畑が姿を消し、老人ホーム、図書館が加わる 

 老人ホームの記号は小・中学生から募集したデザインをもとにつくられた

 

★呼び方も変わって入る

・リンカーン→リンカン・マゼラン→マガリャンイス・ルーズベルト→ローズベルト

 

 「教科書の内容は絶対」という固定観念を捨てる事ですね。

 「教科書を教える」のではなく「教科書で教える」ことがわかっていれば大丈夫です。