今日も4月21日(金)の読売新聞「基礎からわかるチャットGPT」からです。
★AI進化の歴史
・1956年、米トーマス会議(情報科学の研究者らが集まる会議)で、「人工知能」を意味する「Artificial Intelligence(AI)」という言葉が初めて使われた。
・人間の能力を超えて様々な問題が解決できる夢の技術として期待がかかる。
・50~60年代は第1次、80年代には第2次AIブームが訪れる。
・AIが急速に進化したのは21世紀に入ってから。
・きっかけの一つは、米グーグルが2012年にAIが大量の画像から猫を判別することに成功したと発表。「深層学習」を使う。
・深層学習によって画像認識や自動翻訳の精度が飛躍的に高まり、第3次AI ブームを巻き起こす。
・2016年、深層学習で訓練した囲碁AI「アルファ碁」がトップ棋士を破った。
・数年前から、文章や画像を新たに作り出す「生成系AI」の開発競争が激しくなっている。
★米新興企業オープンAI
・2015年、米テスラのイーロン・マスクCEOらによって設立。本社はサンフランシスコ。
・AIの普及・発展を目的とした非営利団体として活動開始。19年に営利目的に移行。
・チャットGPTのほか、文章から画像を生成するAIも開発。
・AIに関する技術を企業や研究機関に提供して収益を得ている。
・2023年2月から、チャットGPT(無料版)より回転速度が速く精度を高めた有料版を月額20ドル(約2700円)で個人向けに開始。
・2023年3月、オープンAIが、文章と画像の両方を生成できる「GPT-4」を公開。
★他社の動き
・米マイクロソフトは、オープンAIの技術を自社の検索エンジン「ビング」や表計算の「エクセル」などに搭載し、検索サービスで圧倒的なグーグルに挑もうとしている。
・グーグルやマスク氏らもチャットGPTに対抗するサービスの開始を表明。
★世界的な警戒感
・オープンAIは、AI訓練のためにSNSへの投稿を含め大量の個人情報をオンライン上で許可なく収集。
・利用者からは、質問を受ける際、IPアドレスや使用するプラウザーなどの情報も収集。
・「チャットGPTは個人情報を守る上で悪魔のような存在。ブログの投稿、ニュース記事のコメントしたことがある場合、内容がチャットGPTに学習された可能性が高い」(ウリ・ガル教授、シドニー大)
★チャットGPTを巡る主な課題
・日本語の学習データが英語に比べて少なく、日本語での対話の精度が英語より低い。
・人間が書いたような自然な文章のため、誤った内容でも気づかれず拡散する恐れ。
・著作権がある文章を学習すると、対話中で同じ表現を使い、著作権を侵害するリスク。
・個人情報や企業や研究などの機密情報を書き込むと、その情報をAIが学び、外部に漏れてしまう恐れ。
・偏った内容の文章データを学習すると、差別や偏見を助長する答えを返す可能性。
★各国の課題対策
・イタリア当局は3月末、膨大な個人データの収集などが違法に行われた恐れがあるとして、チャットGPT利用を一時的に禁止。
・米国の非営利団体「フューチャー・オブ・ライフ・インスティチュート」は、人類に深刻な影響を与える恐れがあるとして、少なくとも半年間、先端AIの開発の中断を求めるオンライン上の署名活動を実施。2万人以上が署名。
「リポートや論文が瞬時に作成できてしまうため、学生への教育へのあり方そのものが揺らぎかねない」という教育現場。どんな対策を練っていくのでしょうね?
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