昨日は、オリックスの宮城投手のことを取り上げましたが、昨年も似たような記事があったことを思い出しました。
10月5日(水)朝日新聞「オピニオン&フォーラム」の「貧困の子にサッカーを」の記事でした。川崎フロンターレの小林悠選手です。ご存知ですか?
★プロフィール
・1987年生まれ。町田市出身。拓殖大から2010年に川崎フロンターレに入団。
・17年にJ1最優秀選手と得点王。3児の父。
・貧困のせいでサッカーを習い続けるのが難しい日本の子どもたちを支援する活動に2021年から参加。
・月1回のペースで子どもたちとオンラインで交流しながら、サッカーに取り組む上での目標を一緒に立て、相談に乗っている。
・母子家庭などでお金のない小中学生が多く、金銭的な支援をしている。
★子ども時代
・母と兄の3人暮らし。
・部屋は寝るところと、ご飯を食べるところの2つしかなく、3人で川の字で寝ていた。
・食べるものがなく、夏はご飯に麦茶をかけた冷たいお茶漬けと漬物だけの日もあった。
・イチゴはぜいたく品で、つぶして牛乳と砂糖を混ぜ、かさを増して食べた。
・スパイクは、最初は靴ずれになってでも大きめのものを買い、少しでも長く使おうとした。裏はポイントがすり減ってツルツル。穴があきにくいように補修材を塗った。穴が開いても使った。先輩のお下がりももらった。
・「僕自身は幸せで、全然気にしていなかった」
★母親への思い
・「母は、いつも試合を見に来てくれて、僕の一番のファン。」
・「小さい頃は、ゴールを決めて、母にピースサインをするのが生きがいだった。それを母が喜んでくれるのが一番うれしかった。」
・「サッカーをやめないといけない状況には、一度もならなかったのは、母が頑張ってくれていたんだと思う。」
・「遠征も多かったので、母は借金をしていたのかもしれない。」
・「当時の自分も、それがわかっていたからこそ、ほかの子よりも感謝の思いがあった。」
★支援への思い
・「大好きなこと」ができることはめちゃくちゃ重要。
・仲間や指導者など、自分を成長させてくれた人と出会うきっかけを与えてくれた。
・サッカーを含めて、人と出会える場の大切さを改めて実感する。
・仲間と助け合うことの重要さや、みんなで一つのことを成し遂げた時の感動をすることもできる。
・やりたいことをやれる環境は大切。環境次第で変わっていく。
・好きなことをやることは、自信につながる。
・いくつも好きなことをやってる子は自己肯定感が強い。
・親への感謝の気持ちが、人への感謝の気持ちを忘れないこと、自分の子どもを愛する気持ちにもつながっている。
★加藤遼也さん(NPO法人ラブフットボール・ジャパン代表)の話
・昨年から「子どもサッカー新学期応援事業」を始める。
・小林悠選手らプロ選手16人と共に、経済的な理由でサッカーができない子を支援。
・新学期に3~5万円の奨励金、用具寄付、孤独感を持つ子とプロ選手との交流が活動の柱。
・昨年102人→今年250人の応募(大幅増)
・約3割の保護者が、子どもにサッカーをさせるために借り入れをしていた。
・サッカーの支援を求めることに抵抗があるとの回答が約3割近くもあった。
・選手からは、活動を周囲に話すと浮いてしまうという声もあり、周りの目が勇気ある行動を妨げる要因になっている。
・海外では競技のパフィーマンスが良くなくても、こうした活動が評価される。その姿を見て子どもたちが憧れ、「プロ=困っている誰かの力になる人」という選手像が次世代へと引き継がれていく。
宮城投手にも小林選手にも共通点がたくさんありました。貧しさを感じさせない人柄と環境が素晴らしいですよね。
感謝が身につくと、人に尽くすことを惜しまなくなるんですね。
「プロ=困っている誰かの力になる人」なら、私たちももっと「プロ」意識を磨いていきたいですね。
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