今日は、朝日新聞終末別冊版「be」に連載している飯間浩明さんの「私のB級言葉図鑑」からです。今回は、2月4日から28日の4回分です。
①「減容」 中身をケチるわけじゃない(2月4日)
ビルの洗面所のハンドソープの容器に<減容ボトル採用!>に書いてあったそうです。
・でも、何か変。商品にとってマイナスになることを、目立つように書かなくてもいいはず。
・実は早とちり。「減容」は中身を減らすのではない。
・「大辞林」には、<容積を少なくすること。特に、産廃物の容積を減らすこと>とある。
・減容ボトルとは、使用後につぶして容積を小さくし、廃棄できるボトルのこと。
・ごみの容積が減れば、コスト削減につながる。
・廃棄せずにリサイクルする場合も、圧縮・減容化は大切。
・「減容」は大半の国語辞典に載っていない。
②●(●はぐの変体仮名) 変体仮名に結びついた記憶(2月11日)
東京・築地の看板の〈ま●(●はぐの変体仮名)ろ〉とかいてあったそうです。
・学校で習う仮名以外に、昔から使われてきた仮名を「変体仮名」と言う。
・●(●はぐの変体仮名)の元になった漢字は、「久」で、「く」の元の漢字と同じ。
・くずし方によって2通りの仮名ができた。
・今では、形が単純な「く」が標準になった。
・●(●はぐの変体仮名)は看板などでたまに使われているが、だんだん目にする機会が減ってきた。
③「くすみ系」 暗くなってる?流行の色調(2月18日)
都内で開かれた文具展示会で、好きな色を問うアンケートの4色に「パスレル系」「ビビッド系」「明るいくすみ系」「暗いくすみ系」があり、票を集めたのは「くすみ系」だったそうです。
・2010年代後半から「くすみカラー」が人気。
・原色に灰色を混ぜた大人っぽく落ち着いた色調。
・好まれている色調も時代とともに変わり、一番古くからあるのは上記の中では「パステルカラー」。原色に白を混ぜた淡い色調で、言葉としては昭和初期からある。
・「ビビッドカラー」は彩度の高い強烈な色調で、名称は1970年代に広まる。
・明るいくすみ系は「ニュアンスカラー」という名前で90年代に一般化。
・「くすみカラー」は、さらに暗い中間色を含む。
・年代を経るごとに、流行の色調が暗くなっているようにも見える。
④「Bentos」 最近英語になった日本語(2月25日)
名古屋駅の新幹線ホームのお弁当売り場に<Bentos>と書いてあったそうです。
・Bentosと複数形の「s」がついていることは、これは英語。
・tofu(豆腐)やsushi(すし)と同じく、いつの間にか日本語から英語に入っていた。
・bentoを載せる辞書は複数あるが、lunchやbox mealといった語句だけを載せるものもある。
・戦前の英語の文章にもbentoは出てくる。
・bentoが英国の有名な辞書に載ったのは21世紀。
・インターネットでbentoの検索状況を見ると、年々順調に増えている。
・bentoは今に大半の英和・和英辞典に載ることでしょう。
色とbentoの話なんていかがでしょう?
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