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No弐-693  百人一首2

 今日も百人一首にお付き合いください。

 嵯峨嵐山文華館には、百人一首の100人のフィギュア(人形)がガラスケースの中に展示されていました。英語訳も書かれていたのがおもしろかったです。

★小野小町

花の色は うつりにけりな いたづらに 

わが身世にふる ながめせしまに  

 

現代語訳(桜の花の色は、むなしく衰え色あせてしまった、春の長雨が降っている間に。ちょうど私の美貌が衰えたように、恋や世間のもろもろのことに思い悩んでいるうちに。)

 

I have loved in vain 

and now my beauty fades 

like these cherry blossms

Palling in the long rains of spring 

that I gaze upon alone.

 

・小町は、歌の才能だけではなく、踊りに琴、書道となんでもうまくこなし、衣織姫(そとおりひめ)の再来とまでたたえられる美貌の持ち主だった。

・「通小町」小町を恋した深草少将が、百夜通えば望みをとげさせようとの女のことばに惹かれ、九十九夜まで通って、ついにその夜、空しくなったという百夜通いの話がある。

・小町の墓は、京都に3つ、秋田県、宮城県、愛知県、滋賀県、熊本県にもある。

 

 昨日登場した大友黒主は、平安時代の歌人で六歌仙の一人ですが、その中で唯一小倉百人一首に撰ばれていません。

★大友黒主

・古今和歌集仮名序では、「大友黒主はそのさまいやし。いはば薪を負へる山人の花の陰にやすめるが如し」と評される。

・能「志賀」では、小野小町を辱める悪役として登場。歌舞伎の「関の戸」でも天下をねらう大悪人として登場する。

 

★美人図(菊池契月)の解説

・本段で語られるのは侍女に恋をした男のエピソード

・男親は快く思わず、やがて女性を家から追い出してしまいます。

・悲痛のあまり気を失った男は危篤状態に陥りました。

・市女笠を手に市、壺装束と呼ばれるいでたちの女性は旅のさなか。

・足元に咲く野菊に視線を投げかける表情がどこか寂しげなのは気のせいでしょうか。

・後ろ髪ひかれる思いで恋人の元を去っていく女性の姿に重なります。