一昨日、京都の嵯峨文華館に行ってきました。「絵で知る百人一首と伊勢物語」を観てきました。そういえば、先月1月13日(金)の読売新聞朝刊「ニュースの門」に「百人一首」のことが取り上げられていたのを思い出しました。
★小倉百人一首(13世紀)
・親戚(息子の妻の父)の依頼で小倉山荘(京都)のふすまを飾る障子歌を書くことになった鎌倉時代の歌人藤原定家が、歴代天皇や公家など100人の作品から1首ずつ選んだ秀歌撰。
・「小倉山庄色紙和歌」と呼ばれ、百人一首の名称は15世紀ごろから
・江戸時代、木版刷りの安いかるたが出回って庶民に浸透。
・高級品は上流階級の嫁入り道具にもなった。
・特に女性にとっては、古典の教養として重視され、教科書としても使われた。
・現代でも競技かるたで使われるなど、不動の地位を築いている。
★異種百人一首
◎新百人一首(15世紀) 足利義尚(9代将軍)が編纂。
・十二位成忠女(儀同三司母)以外の99人が小倉百人一首に未収録の歌人。
◎武家百人一首(17世紀)
・武家中心の百人一首の先駆けで、源義家や平忠盛など鎌倉、室町時代の武人の歌を収録
◎列女百人一首(19世紀)
・女性の歌で構成され、葛飾北斎が人物挿絵を手がける。
◎愛国百人一首(20世紀)1941年11月に制定。
・国民の戦意高揚を目的に、紙芝居やはがき、レコードも販売。
・撰者は斎藤茂吉や北原白秋、折口信夫ら12人。内閣直属の情報局が認定し、軍部が後援。
・戦中の紙不足にもかかわらず100万部超出版。植民地だった朝鮮でも流通。
◎新々百人一首
・作家丸谷才一が飛鳥時代~室町時代の歌を選定し、1999年に刊行。
◎産後百人一首(2016)
・小倉百人一首の歌をアレンジして詠んだ「もじり百人一首」の一種。
◎令和版百人一首リレー
・埼玉県の家庭教師の発案で、ツイッターで始まる。
・「令和以降の子どもたちに残したい歌」を100人が1首ずつ選ぶ企画。
・撰者は次の撰者を指名する方法でバトンをつなぐ。
・高橋源一郎さん(作家)、伊藤比呂美さん(詩人)らが撰者として参加。
★競技かるた
・明治37(1904)年、競技かるたが成立。
・起爆剤になったのは漫画「ちはやふる」(2007年~2022年8月まで雑誌に連載)
単行本全50巻、累計発行部数2800万部。
・国内競技人口100万人。大会出場者が急増。有段者5356人(21年度)。
嵯峨文華館で見つけた1枚を紹介します。これ誰だか分かりますか?何をしているか分かりますか?
★草子洗小町之図
・小野小町が歌の盗作と言う濡れ衣を晴らす物語。
・歌合わせで小町と対決することになった大友黒主は、小町が歌を作るところを密かに聞いて古い和歌集(草子)に書き加えます。
・歌合わせの日、披露した歌は昔の人が詠んだものだと黒主に訴えられ、困り果てます。
・しかし、その和歌集を水に浸すと、黒主が加えた歌は見る見るうち消えました。
・今まさに身の潔白を証明しようとする緊張感に満ちた表情の小町が描かれています。
「授業のまくら」にいかがでしょうか?
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