最近の天気予報は当たるんですね。予想通り雪が積もりました。気を付けてお帰り下さい。
今日は、朝日新聞「オピニオン&フォーラム」の「若者の才能 見逃さない」という見出しが目に留まりました。日本ハムファイターズスカウト部長の大渕隆さんのインタビュー記事でした。
★大渕隆さんのプロフィール
1970年生まれ。新潟県出身。早稲田大時代にベストナイン。プロ経験はなく、会社員(日本IBM7年勤務)、県立高校教諭(5年勤務)を経て、日本ハムスカウト(2006)。22年からGM補佐兼務
★大谷選手のエピソード
・高校時代、監督の指導ですでに自分を成長させる手法を会得していた。
・1年目のオフには、フォームなどの動作解析をしてもらいに自ら大学に行った。
・2年目のオフには、パッと見て分かるほど筋量が増えていた。
・自分で決めたテーマに沿って、PDCAを回していた。
・4、5年目くらいから、とんでもない打球を放っていた。
★OSの重要性
・「自ら考える力」を選手が持っているかどうかは、スカウトする上で重視。
・「ハード」が身体能力や技術がとすれば、「OS(基本ソフト)」は考える力や性格。
・ハードが多少劣っても、OSがウィンドウズ3か10かでは全く違う。
・野球は相手のいるゲーム。トレーニングはもちろん、色んな情報を解析してアウトプットするスポーツなので、よりOSが重要。
・プロ野球の1軍、大リーグというソフトを回せるかもOS次第。
★OSの見極め方
・球速や身体能力など、見えるデータは評価の確認に使えるが、そこを重視しすぎるとうまくいかないことが多い。
・大事なのは数字にはならない、考える力や強い思いといった「見えないもの」で、そこに焦点をあてなければ我々の仕事の意味はない。
・人間と人間なので、伝わってくる第一印象を大事にする。
・企業の人は「20分の採用試験では何もわからない」と言うが、むしろ1回の方がいいこともある。
・ピンチになった時にその人の本質が出やすい。
・ユニホームの着こなしやグラブの手入れ、野球ノートの書き方なども材料になる。
★OSのアップデート
・新人選手の入団時、「君の最高のコーチは、自分自身だ。自分の中に、最高のコーチを育てられるかが重要だ」と伝えている。
・選手は大人の指示や命令で活躍しても、長続きしない。
・ゴールを設定し、自分で計画し練習する必要がある。
・そのとき「最高のコーチ」の知識やレベルが低くては、選手は成長しない。
・選手は、プレー以外の面でも自己研鑽を積んでほしい。
★新人研修プログラム
・入団して5年以内に、半分の選手がいなくなる。
・ユニホームを脱いだ時に「野球しかやっていませんでした」ではいけない。
・その後も成長できるための基礎を身につけるプログラムを開始。
・高卒は5年間、大卒や社会人は2年間、寮で生活。
・毎日、日誌を付けることから始める。インプットしたものを、自分の中で改めてクリエートしてから、書いたり話したりアウトプットする。
・それができれば、野球以外でも活躍できる。
・私たちは、気づいてもらう環境を用意しているだけ。
★プロ野球選手とは?
・野球がメインではあるが、プレーする舞台はエンターテイメント。
・人を集めて、野球のプレーを通じて非日常を楽しんでもらう。
・ディズニーランドで例えれば、選手はミッキーマウス。
・ミッキーが事件を起こしたら観客はどう思うか、服装が乱れていたら、写真を撮るときに嫌な顔をしたら。それさえ分かれ、行動はおのずと決まる。
★スカウトの目
・生徒にはそれぞれ良さがあるのに、受験やスポーツなどで成功した者が「俺たちは努力して勝ったから正しんだ」と、できない者に言う。それが社会に反映されるのは恐ろしい。
・我々は、評価の基準や引き出しを何通りも持たないといけない。
・一つの常識というフィルターにかけたら、ふるい落とされる者はたくさんいる。
・枠にはめるのではなく、その子しか持っていない才能を開花させないといけない。
・「組織の常識」とうフィルターにかけて才能を見逃していることが、どんな組織にもあるのではないか。
大渕さんを教育現場にスカウトしたいくらいです。このスカウトの目を私たちも持てたら、教育もガラリと変わるはずです。
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