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No弐-682 睡眠時間2

  今日も「睡眠」について考えたいと思います。朝日新聞の「フォーラム」に「子どもたち、眠れてる?」の2回目の2月5日(日)の記事からです。

 

★子ども睡眠健診プロジェクト(小中高生対象、東大と理化学研究所)

・ねらい 子どもと保護者が睡眠の質を知り、睡眠に関する知識を増やす。

・機器を用いた正確なデータを取る大規模調査。(対象5万人、昨年~2025年度)

・「リストバンド型加速度計」を使用。腕の動きや睡眠か覚醒を記録し、解析。

・原則7日間、入浴時以外は腕に着用。「睡眠日誌」を期間中記入。

・就寝したと書いた時刻より実際に睡眠に入った時刻が遅いことが本人が分かる

 

★始業時刻を遅らせる

◎米小児学会の声明(2014)は、始業を早くても8時半以降にする。

思春期は午後11時より前に眠ることは難しく、起床も午前8時以降が最も適している。

 

◎「Start School Later」プロジェクト(萩原峻太さん、東大大学院)

 海外ではたった15分で始業時刻を遅らせたことで眠気や生産性が改善したという研究成果がある。8時間眠らせることをスタートに、学校のマネジメントを考えてほしい。

 

・中央大学高校の始業時刻は午前9時15分。

 

★下校時間を早める

◎内田良教授(名古屋大・教育社会学)の話

・子どもたちは授業が終わっても部活動や塾、宿題があり、あまりに忙しい。

・朝練をなくしたり、完全下校時刻を早めたりといったことが必要。

 

★内村直尚・久留米大学長(日本睡眠学会理事長)の話

・日本ほど子どもの睡眠時間をないがしろにしている国はない。

・大人も子どもも、日本は世界で一番寝ていない国。

・睡眠は成長を促すだけでなく、心を安定させ、記憶を固定し、免疫機能を高める。

・記憶をつかさどる脳の海馬の体積と、子どもの睡眠時間は比例する。

・小児期の睡眠不足がその後の不安や抑うつにつながる。

 

・今の日本の子どもは、夜遅くまで塾で光を浴び、帰りにコンビニで光を浴び、帰宅してスマホを見る。

・子どもの体内時計は大人より敏感で、光の影響を大人より数倍受けるので、良い睡眠が取れるはずがない。

・夜に光を浴びせて開花時期を狂わせる「電照菊」と同じ。

 

・子どもの睡眠を変えるには、保護者や社会、学校が変わらないと難しい。

・どうしても大人が夜型社会を変えられないなら、いっそ学校の始業を遅らせるべき。

 

 始業時刻を遅らすこと、下校時刻を早めることは近いうち実現できるでしょうか?

 

◎良い睡眠のためのアドバイス

・体内時計のリズムを保つため、生活習慣を整える。

・日中に適度な運動を習慣づける。

・布団の中でスマホやゲームはしない。

・夜は日光を浴び、朝食をとる。

・夜食を控える。

・昼寝をするなら午後3時くらいまで。長くても20分以内。

・カフェイン摂取を控え、日没後は暖色系の証明の部屋で過ごす。

・平日と休日の睡眠リズムが大きく崩れないように注意する。