朝日新聞の「フォーラム」に「子どもたち、眠れてる?」の記事が2回にわたって連載されました。今日は、1回目の1月29日(日)の記事からです。
皆さんの平均睡眠時間はどのくらいですか?
★日本人の睡眠時間(OECD調査、33か国、2021)
・33か国平均(8時間27分)、日本(7時間22分)最短
・南アフリカ(9時間13分)、米国(8時間51分)、英国(8時間28分)、ドイツ(8時間13分)、韓国(7時間51分)
★高校生の平均的な睡眠スケジュール(東京・埼玉7校3254人回答、2017~18)
・平日就床時刻(23:52、男性23:59、女性23:49)
平日起床時刻(6:51、男性7:18、女性6:37)
平日睡眠時間(6時間24分、男性6時間41分、女性6時間14分)
・休日就床時刻(0:31、男性0:48、女性0:22)
休日起床時刻(9:30、男性9:35、女性9:27)
休日睡眠時間(8時間19分、男性7時間58分、女性8時間28分)
・米国立睡眠財団は、14~17歳で8~10時間の睡眠を推奨している。
こんなに休日は遅いのですね。男女差も平日は女性の方が短く、逆に休日は長いことも分かります。
★高校生の睡眠調査(3225人回答)
・質問紙を使い、スコア化。
・合計21点中6点以上は睡眠に問題がある。1748人(54.2%)
・高校生の2人1人は睡眠に何らかの問題がある。
・日中に適度な眠気をきたしている割合(56.2%)
・睡眠の問題があると、登校意欲を喪失するリスクが2.2倍、週1回の欠席リスクは2.4倍高まる。
・海外研究では、8時間未満睡眠は自殺企図率が2.9倍。
★中学生のコロナ禍一斉休校中の体調、睡眠調査(清瀬市中学1688人、2020年6月)
・学校再開告知後、7時半よりも起床が遅い子は2、3年生で半数以上。
・半年後の調査では、休校中にインターネットを使っていた時間の長さや運動不足の要因では有意差は見られなかった。
・学校再開後、体調不良や不登校になった子は、起床時刻が平均で約1時間遅かった。
★小保内敏正先生(都立多摩北部医療センター、小児科医)の話
・朝の起床時刻がずれることは睡眠障害につながりやすく、心身に深刻な影響を及ぼす。
◎睡眠障害と診断される子の3パターン
①塾や部活で睡眠時間が短くなっている。
②ゲームなど電子機器の使い過ぎで睡眠不足になっている。
③ふとしたきっかけで学校に行きにくくなり、朝いつもの時間に起きられなくなって悪循環にはまってしまう。
◎治療法
・起きる時間を一定にすることが基本。
・起きる時間は比較的自分の意志でコントロールしやすい。
・自分で起きる時間を決め、守ってみるよう促す。
・起きた後に日光を浴びることも、体内時計を整えていく上で重要。
小学生でも睡眠不足の子はきっと多いはずです。塾の宿題が多すぎてないか?ゲームをやりすぎてないか?親子でふり返ることは大切です。
家庭だけの問題にせず、起床時刻を一定にすることの大切さは、ぜひ保護者会でも、教室の子どもにも投げかけてみてください。
<明日に続く>
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