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No弐-674  言葉のおもしろさ31 

 今日は、朝日新聞終末別冊版「be」に連載している飯間浩明さんの「私のB級言葉図鑑」からです。今回は、1月14日から21日の3回分です。

 

①「罪悪感」 ダイエットの話題で気軽に

 コンビニのガラスに貼ってあったチキンの広告ポスターに<新常識!うまくて、罪悪感ゼロ。>と書いてあったそうです。

・ダイエット中に食べ過ぎると、後悔の念が湧き起こるが、これを「罪悪感」と言っている。

・このチキンは糖質が少ないため、糖質制限中の人でも「罪悪感ゼロ」というわけだ。

・「罪悪感」は、元はきわめて深刻な響きを持っていた。

「罪悪感におののく」「罪悪感にさいなまされる」など、頭や心を悩ませる、苦しい罪の意識を言った。

 ところが、ここ数年、「罪悪感」をダイエットの話題で気軽に使うことが多くなった。

・英語では「ギルトフリー」(罪悪感のない)がダイエットの文脈で使われるようになった。

・関連して<背徳チーズ>と銘打ったハンバーガーもある。

 

②「写場」 スタジオとは言わなかった

 新潟市のホテルの案内板に、結婚披露宴の<式場>の下に<写場>と書いてあったそうです。

・今は一般的に「撮影スタジオ」などと言うところだが、かつては「写場(しゃじょう)」、「写真場」などとも言った。

・作家・田辺聖の生家が写真館で、2階に<広い写場>があり、<当時はスタジオなんていわない>と記している。

・俳優・小沢昭一の生家も写真館で<写真を写す場所を写場と申しました>と証言。

・「三省堂国語辞典」(第8版)では、〔古風〕と表示し、「板倉写場」(谷崎潤一郎の小説「細雪に出てくる写真館の名前」という例を添えた。

 

③「謎の値札」 おなじみさんには分かる?

 都内の青果店の値札が、走り書きで読めなかったそうです。

 

・千葉県はこの作物の収穫量が埼玉県に次いで2位。

・答えは、<里芋>。<1P(パック)100円 108円(税込み)